東京都水道局が整備工事中の王子給水所(仮称)について、完成が当初予定の2023年度から遅れ、32年度になることが分かった。土壌汚染対策を新たに実施したことに加え、地中に残存していた基礎杭の撤去が必要となり、工事工程を見直した。3月12日の都議会予算特別委員会で、山田加奈子氏(都議会自民党)の質疑に浜佳葉子水道局長が答弁した。
王子給水所は、地下式で容量約5万立方b規模の配水池と半地下のポンプ棟を新設する。平常時だけでなく、大規模地震などで金町浄水場や、金町浄水場と北区北部を結ぶ給水管が被災した場合には、応急給水拠点としての役割を果たす。
建設地は、北区王子5ノ2の旧桜田中学校跡地、敷地面積約9900平方b。
配水池の築造工事を始めるに当たり18年度に土壌調査を実施した結果、土壌汚染対策法に定める土壌溶出量基準を超過する「ひ素およびその化合物」などが検出された。
対策として、配水池側面に厚さ9_の鋼板を設置する工事を実施した。また、地中に1800本以上の基礎杭が残存していたため、追加で撤去工事を行った。
これに伴い、今後発注を予定しているポンプ棟築造工事や関連する配管工事、場内整備などの工程を再検討する必要が生じたことから、完成予定を後ろ倒しする。
提供:建通新聞社