金沢市は、12日に開かれた市議会総務常任委員会で、新しい交通システムの導入に向けた検討状況を報告した。この中で、導入想定機種の車両基地や停留所などの施設整備を含めた1キロ当たりの概算事業費は、LRT(次世代型路面電車システム)が60億円、BRT(バス高速輸送システム)が中央走行方式で20億円、路側走行方式なら10億円と算出した。
新しい交通システムは金沢港から金沢駅、香林坊、野町駅までの都心軸約7・8キロ間のルートでの導入を基本に検討を進めている。今年度の検討では、「バス路線網の再編に伴う乗り継ぎ拠点の位置を考慮し、有松方面まで延伸したルートが適当と考える」との方針が新たに示された。
事業費算出にあたっての施設整備では、LRTが車両基地1カ所、停留所17駅、結節点3カ所、武蔵から有松間の一部で道路拡幅などを検討。BRTが車両基地2カ所、結節点1カ所、停留所は中央走行方式で17カ所、路側走行方式なら20カ所、道路拡幅は中央走行方式で南町から有松間の一部とした。このほか、金沢駅の東西接続に掛かる事業費が必要となる。
運営方式に関しては、公設型上下分離方式(公設民営型)が最も現実的とする見方を示す。今後は費用便益分析や工事期間中の影響などを確認しながら、導入機種の方向性を決める方針である。