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建設経済新聞社
2021/03/15

【京都】東市街地の浸水対策で方針 重点対策地区は9排水区 短期に祖母谷川右岸など

 舞鶴市はこのほど、舞鶴市(東地区)雨水管理総合計画をまとめた。
 市の下水道(雨水)事業は、平成25年で被害が大きかった西地区から着手したが、平成29年度に雨水全体計画の見直しとともに、静渓排水区と大手排水区で雨水の事業計画を策定した。
 東地区においては、平成16年から4度、大きな浸水被害が発生し、特に平成29年の台風21号では368戸の家屋が浸水した。この台風被害を受け、東地区での検討がスタートした。
 市は、平成29年度から京都府と連携して浸水メカニズム調査会議等の基本的な調査や検討を進め、市が実施する浸水対策の基本方針となる雨水管理総合計画をこのほど策定した。
 上下水道部下水道整備課がまとめた雨水管理総合計画では、甚大な浸水被害を回避すべき区域(過去に大きな被害があったところ)を重点対策地区とし、重点対策地区内の排水区(ブロック)ごとに浸水実績や浸水リスクを評価し、投資可能額(予算)等を考慮しつつ、対策の目標を設定。
 被害の多いところ、浸水リスクの高いところから事業を進めることとする短期・中期・長期の対策方針を定めた。
 優先順位は順位の高いところから行い、@〜B位までを短期とし、浸水家屋戸数が多いC〜F位までを中期、G〜H位までを長期とするが、今後の災害発生状況等により優先順位は適宜見直しを行う必要があるとしている。
 具体的には、東市街地723fのうち、浸水被害があった9つの排水区170・4fを重点対策地区に設定。被害実績等を基に浸水リスクの高いところから短期(@祖母谷川右岸(対象面積13・2f)A市場(9・4f)B松ケ崎第2(10・5f))、中期(C愛宕(9・7f)D浮島(19・9f)E中央(29・5f)F松島川(39・6f))、長期(G志楽川第3(12・6f)H寺川(26・0f))とする優先順位を決定した。
 実施に当たっては、優先順位を基本に各排水区の地形的要因や具体的な対策を検討した上で、投資可能額(予算)等を考慮した総合的判断により事業を進めていく。
 府と連携して浸水被害の軽減に向けて取り組むこととし、令和3年度以降、府は志楽川等の二級河川の浚渫を実施、市は下水道事業に必要な法手続き(下水道事業計画、都市計画決定、都市計画法事業認可)を進め、その後、排水ポンプ整備等に事業着手する。
      ◇      
 東西地区の浸水対策を巡っては、舞鶴市3月議会の代表質問でも質疑があり、多々見良三市長が答弁した。 主な内容は、西地区で進める浸水対策について、大手ポンプ場は令和4年度の出水期までに供用開始を目指し工事を進めるとともに、竹屋ポンプ場と静渓ポンプ場は令和3年度発注に向け準備を進める。
 東地区は、令和2年度に策定した雨水管理総合計画を踏まえ、令和3年度に事業計画策定や事業認可等の手続き及び基本設計を進め、令和4年度の詳細設計や用地取得等を経て、令和5年度の工事着手を目指す。