兵庫県建設業協会(松田隆会長)は3月10日、国土交通省近畿地方整備局に対し、兵庫県内の直轄Cランク工事(一般土木)での建設キャリアアップシステム(CCUS)活用推奨モデル工事の試行を要望、松田会長が溝口宏樹局長に要望書を手渡した。松田会長は「業界のインフラとしてCCUSの普及、定着を図ることが重要だ」と試行実施を求め、溝口局長も「試行を検討する。CCUSの理解、普及が進むよう、協会の皆さんの協力をお願いしたい」と応じた。近畿地整では2021年度発注分の同県内工事で試行対象を検討する。
CCUSの活用促進を図るため、受注者希望で行う活用推奨モデル工事は、20年3月にまとまったCCUS普及・活用に向けた官民施策パッケージで「地元業界の理解を踏まえ、Aランク以外の試行を検討」と盛り込まれたのを受け、地方整備局などでの試行工事の実施を目指し、各地域の建設業協会に対して協力を求める通達を国交省が出している。
近畿管内の建設業協会から同様の要望書が出されるのは20年8月の大阪建設業協会、21年1月の滋賀県建設業協会に続き、兵庫県建設業協会が3団体目。大阪府内では既に試行工事を2件発注済みで、滋賀県内については兵庫県内と同様に21年度発注分の一般土木Cランクから試行対象を選ぶ。
この他、近畿管内では、いずれもWTO対象の一般土木Aランクで、発注者指定でCCUSを活用する義務化モデル工事を1件、活用推奨モデル工事を4件試行している。
20年度に発注した試行工事と受注者は次の通り。
【義務化モデル工事(一般土木Aランク、WTO)】
大野油坂道路新長野トンネル野尻地区工事―戸田建設
【活用推奨モデル工事(一般土木Aランク、WTO)】
西舞鶴道路上安久高架橋P9橋脚他工事―大林組▽長殿道路1号橋P1橋脚工事―オリエンタル白石▽有田海南道路5号トンネル冷水地区工事―大豊建設▽大野油坂道路大野IC改良工事―ノバック
【活用推奨モデル工事(一般土木Cランク)】
淀川本川堤防強化対策工事―矢野建設▽国道171号天神荘園(上り)電線共同溝―安積建設
提供:建通新聞社