横浜市は総合評価方式による工事の入札で、若手や女性の技術者の配置・登用を巡る評価項目と配点を見直す。担い手育成の項目で若手または女性であれば加点してきた「担当技術者」を、「配置予定技術者」を対象とした若手登用、女性登用の各項目へ組み込んで同時に評価。配置の状況に応じて点数が積み上がるようにする。また、市のSDGs認証を得た企業に対する加点、低入札時の減点の全面適用、端数処理しない形での評価値算定を正式に決めた。これらを2021年度版の総合評価ガイドラインに盛り込んで、3月30日以降の公告分から運用していく。
若手や女性の技術者の配置・登用を巡る現在の評価項目と配点は3項目でそれぞれ1〜2点。具体的には▽「新たな担い手の育成」(若手または女性の担当技術者を専任配置)=1点▽「若手技術者の登用」(配置予定技術者に若手を配置)=2点▽「女性技術者の登用」(配置予定技術者に女性を配置)=2点―となっている。
今回の見直しでは評価項目を「若手技術者の登用」「女性技術者の登用」の2項目に整理。これまでの配置予定技術者に加え、担い手育成の項目で加点してきた担当技術者をそれぞれに組み込む。配点は配置予定技術者が若手や女性なら2点、担当技術者が若手や女性ならば1点で、両方の技術者を同時に評価することから、いずれも若手や女性であれば1項目当たりの点数は最大3点に積み上がる。
ただ、工事1案件で若手登用と女性登用の2項目を設定した場合、配置予定技術者や担当技術者が若手かつ女性のケースではいずれか一方の項目で加点。重複評価はせずに、例えば配置予定技術者を女性登用、担当技術者を若手登用の項目で加点するような運用とするため、2項目の合計点は最大で6点ではなく3点だ。
一方、市のSDGs認証を得た企業に対する加点、低入札時の減点の全面適用、端数処理しない形での評価値算定については、昨年末に業界団体へ説明していたもの。
個々に見ると、SDGs認証を得た企業に対する加点は評価項目の新設で対応。三つの認証ランクのうち「最上位」は2点、「上位」は1点とする。
低入札時の減点の全面適用は、特別簡易型のみだった「技術評価点のマイナス5点」措置を標準型と簡易型にも広げる格好で、タイプを問わず低入札の抑制につなげる。端数処理しない形での評価値算定はくじ引きを防ぐためで、これまでの小数点第4位未満の切り捨てをやめ、第5位以下も算定して評価値に差が生じるようにする。
これらを盛る21年度版の総合評価ガイドラインは3月16日ごろに公表する予定でいる。
提供:建通新聞社