北陸3県で非破壊検査や土木調査診断、IoT開発を展開しているアイペック(本社・富山市中田1丁目、東出悦子代表取締役社長)は、「SDGs」(持続可能な開発目標)の達成に向けた活動をさらに強化するため、「SDGs宣言」=写真(下)=を行った。
SDGsの課題解決を経営課題ととらえ、社会インフラや構造物の検査・調査を通して、社会的課題の解決と経済発展の両立を図ることで、持続可能な社会の実現に取り組むことにしている。
アイペックの経営理念『百年の大計 人と公』は、SDGsの理念である『豊かで安全な暮らしを継続的に営む』と同様の意味合いを持つ。同社では社会の大きな変化に伴い、サプライチェーンの経営方針や経営戦略が激変する時代にあっても社会に必要とされる企業であり続けるため、SDGsを社員全員で学習。社員一人ひとりが地球に暮らす一員として、日々の仕事とSDGsを関連づけ、社の使命である「街の健康と人の健康を守る!安全・安心・アイペック」に誇りを持ち、自分ブランドとして顧客の要望に応えていく。
一方、橋梁や道路など、高度成長期時代に建設された社会インフラの老朽化が進む中、すべてのインフラを補修することは量とコストの面からも困難な状況。同社が有する構造物の非破壊検査、調査・診断、IoT技術を活用し、日々モニタリングを行うことで、住民の安全を守るとともに、補修に必要なコストを抑え、インフラの長寿命化に寄与していく方針だ。
また、SDGsの取り組みをさらに推進するため、金沢工業大学の平本督太郎SDGs推進センター長監修の「Start SDGs」認定SDGsビジネスマスターによるセミナーを、昨年9月から毎月継続的に実施。SDGsを知ることから、自社への落とし込み、未来予測しながら、「独自性・優位性を図れる社会課題解決型の新サービス」を生み出すプログラムを受講している。
取締役総務部部長の荒木和さんは、「社員みんなでSDGsを学ぶ前は、何となく他人事だったが、今は自分事になり、楽しそうに学んでいる。環境問題やエネルギー資源など、テーマは大きいが、日々の出来事とSDGsがリンクする積み重ねが重要なのでは」と話す。
なお、同社では19年12月、生産性と付加価値の向上を目的に社屋を移転新築。「2階に設置したオフィスは、フリーアドレス制のオープンフロア形式を採用したことで、部署間の垣根を越えてコミュニケーションが活発になり、助け合う雰囲気が高まった。リモート会議の積極的な導入やスマートムーブ(直行・直帰)の推奨で移動時間、移動距離の短縮、CO2の排出削減、ペーパーレス化やゴミを減らす取り組みなども進めている」(荒木部長)という。