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北陸工業新聞社
2021/03/10

 【富山】新建築士の誕生祝う/免許交付式開く県、建築士会/キーワードに遊び、BIM、CM(近江会長)

 富山県と公益社団法人富山県建築士会は9日、富山市のサンシップとやまで、20年度「建築士免許交付式」を開き、新たな建築士の誕生を祝った。
 この日は新建築士(一級20人、二級68人、木造1人)のうち、一級10人と二級50人(木造1人含む)のほか、関係者が参加。式辞で、県建築士会の近江吉郎会長があいさつし、「難関を突破された皆さんに敬意を表するとともに、たくさんの同僚ができ嬉しい。今日から、皆さんの名前で確認申請を提出できる。しかし、違法的なミスがあれば罰則される。建築士は関連法規も含め、すべて知っているとの位置づけであり、現実は厳しい面もある」と話した。
 さらに、「皆さんには遊び、BIM、CMの3つのキーワードを伝えたい。これから重要な判断をする場面が出てくるが、いろんな業種の方とお付き合いをし、大いに遊んでほしい。BIMは、昔と比べて雲泥の差があり、アプリがあれば同時に何でもできる。BIMを駆使する時代が来ており、アンテナを上げていただきたい。また、建設生産システムが変化しており、国立競技場もCMが採用され、CMが一般的になる時代がすぐそこまで来ている」と説明し、「建築設計3会では、行政との防災協定を締結している。SDGsもだが、自分なりに考えて、地域貢献がしたいとの思いがあれば取り組んでほしい。士会ではヘリテージマネージャーも養成しており、ぜひ取得していただきたい。皆さんの今後の活躍を祈念する」と述べた。
 近江会長が新建築士の代表者である、二級の榊原由比菜さん、木造の野澤葉月さんに免許証明書をそれぞれ交付した後、一級の柿谷悠也さんに免許証明書を伝達した。
 県土木部建築住宅課の蟹谷友之課長補佐が新建築士に対し、心構えや関係法令といった今後の注意事項を説明した後、建築士会研修委員会から、建築士会への入会案内の説明も行われた。

地方の魅力を建築、空間に/齋田氏が「風景デザイン」講演

 富山県、県建築士会主催の講演会が9日、富山市のサンシップとやまで開かれ、本瀬齋田建築設計事務所の齋田武亨氏が「風景を翻訳しデザインする」をテーマに講演した。
 齋田氏は、TOYAMAキラリの設計を機に富山へ移住し独立。これまの設計活動を振り返り、「地方特有の風景を翻訳し、建築や空間のデザインへ用いることで、その地方ならではの魅力を備えた風景を増やしたい」との考えを示した。
 レストラン、コテージからなる南砺市利賀村の「消滅集落のオーベルジュ」では、地域特有の屋根「雪割」を採用し、「新しいカタチに翻訳した地域の屋根を基調とする外観デザインで、山里に調和した景観」と説明。村落の石垣、谷筋も生かした配置計画を取り入れた。設計上の課題に対しては、「応用力・対応力、地域性が大事」と指摘した。
 「郷の納骨ロッカー」は、魚津市内の既存建築をリノベーションしたもの。桐箱をモチーフにした茶室のような空間を特徴に挙げ、「社寺建築の屋根と垂木を翻訳した内装デザインとし、木製スダレにより魅力を高めている」と述べた。

hokuriku