名古屋市住宅都市局は、名古屋高速2号東山線に新設する栄出入口部に路外パーキングエリア(PA)を設置する構想を明らかにした。名古屋高速道路の延長81・2`内で初めてのPAとなる。栄出口を設ける若宮大通駐車場内に整備する考え。名古屋高速道路公社が行う栄出入口・西渡り線・南渡り線整備で、路外PAを見据えた設計を実施するよう求める見通しだ。
都市高速道路の本線PAは、首都高速道路(延長327`)で22カ所、阪神高速道路(同258`)で15カ所、広島高速道路(同25`)で1カ所、北九州都市高速道路(同49`)で2カ所がある。平均設置間隔は路線延長で見た場合、首都高(路線延長640`)で約29`、阪神高速(同480`)で約33`となっている。
路外PAは、都市高速道路の沿道にある対象施設を仮想PAとして利用するサービス。ETC車が指定出入口を経由して路外パーキングエリアで休憩した場合、再び高速道路に戻っても通行料金は変わらない。阪神高速では、3号神戸線尼崎西出入口付近(amado)、5号湾岸線尼崎末広出入口付近(尼崎テクノランド)、11号池田線豊中南出入口付近(ロイヤルホームセンター豊中)を路外PA(同社では路外パーキングサービスと呼称)としている。首都高でも過去に路外PAの実証実験を複数回実施している。
栄出口を設ける若宮大通駐車場(地下式構造)は、主に南側が構造物の改修対象となる。栄出口は、若宮大通久屋(西、東)交差点の中間部付近高架から分岐。分岐部の路面高は約13bで、矢場町交差点西側で路面高約6b、現駐車場出口部付近で地表道路に接続する。現駐車場の南側出入り口部は閉鎖。西行き車線の新たな駐車場入り口は、若宮大通久屋(西)交差点の西側に構築。矢場町交差点は地下でアンダーパスし、駐車場側壁を開口して接続する。新たな駐車場出口も駐車場側壁を開口、大須三丁目交差点の西側に地上出口を設ける。路外PAは、栄出口から大須三丁目・栄三丁目交差点を右折し、駐車場北側入り口を利用して駐車場内に入る形をとる。専用マスを設けるかなどは設計の中で決める。駐車場部の改修は、名古屋高速道路公社が栄出入口整備に合わせて実施する。
名古屋都市圏の高速道路をみると、名古屋高速と名古屋環状2号線(名2環)にはいずれもPAが設置されていない。栄出入口部で路外PAが実現すると、名古屋高速のみならず、伊勢湾岸道も含めた名2環内側で初めてのPAとなりそうだ。
指定出入口をどうするかは今後の検討課題。栄出口の他、白川出口は若宮大通駐車場に入りやすく、栄入口に再び入るのは容易なため、有力候補の一つとみられる。
提供:建通新聞社