綾部市は、京都府に要望を続けている綾部環状道路構想の実現を目指し、関係する都市計画道路の整備に向けた取組を進める。
綾部環状道路は、綾部市街地の南部の骨格となる幹線道路で、中心市街地との接続により、循環型交通ネットワークの形成、新たな宅地開発、更には災害時の防災機能の向上などが期待される道路として位置づけられたもの。具体的には、府道広野綾部線、安場田野線、三俣綾部線と都市計画道路寺安場線を一体的に整備し、広野綾部線の野田町から田野町、安場町、上延町などを経て、府道福知山綾部線までをつなごうとする道路整備構想。
7日開催の3月議会の一般質問で、綾部環状道路構想の推進を巡る質疑があり、四方博建設部長は「都市計画道路須知山線の一部について、整備に向けた測量業務に着手している。当該路線は、京都府へ重点要望している都市計画道路寺安場線を含む綾部環状道路と市街地を連絡する路線で、市が須知山線の整備を進めることにより、綾部環状道路の事業化につなげたいと考えている」と答弁した。
山ア清吾副市長は「毎年、京都府に綾部環状道路の早期整備を要望している。京都のみち2040にも綾部環状道路が盛り込まれるよう強く要望を行ってきた。その結果、府道広野綾部線の箇所付けに至った。府での早期事業化に向け、綾部環状道路によるまちづくりや地元の盛り上げ等について、府中丹東土木事務所と市が一体となって協議を進めている」「現在策定中の立地適正化計画において、綾部環状道路の沿道となる寺町、上野町等の地域は、まちなか居住エリアに設定して、居住の誘導を図る地域として計画している。この地域は、土砂災害特別警戒区域また由良川などからの浸水等の心配も少ない地域であることから、更には府営住宅の用途廃止も打ち出されていることもあり、その跡地利用なども含め、将来的に土地利用が進んでいく地域と認識している。立地適正化計画によるまちづくりの実現のためにも綾部環状道路の整備は必要不可欠と考えており、幹線道路の整備に合わせ、居住環境の整備に向けた施策を実施しながら、居住誘導を図っていきたい」と答弁した。
一般質問ではこの他に、都市計画道路の進捗状況を確認する質疑があり、四方建設部長は「綾部市の都市計画道路は、昭和31年から平成8年にかけて、21路線を計画決定し、順次整備を進めてきた。このうち未整備、未着手の10路線、12・7qについて、平成26年度に学識経験者、関係団体の代表などによる都市計画道路網見直し検討委員会を開催し、計画の存続、廃止について検討した。検討委員会の提言を受け、平成27年度に見直し対象路線のうち、7路線、8・5qについて計画を廃止した」と答弁。都市計画道路網見直し検討委で存続となった4路線(須知山線、寺安場線、上延大島線、本宮豊里線の一部)の進捗状況について、「須知山線の他の路線は、整備に多額の費用を要することから一度に進めることは困難だが、他の事業とのバランスや有利な財源の確保など財政状況も勘案するなかで計画的に進めていきたい。また今年度から見直し作業を開始している都市計画マスタープランの中で、これら未整備の都市計画道路について、中長期的な視野に立った整備スケジュールを盛り込むことも検討していきたい」と方針を述べた。
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綾部市は、令和2年度に基準点測量や地形測量、路線測量を行う市道野田須知山線測量業務(綾部市野町外)をマチイコンサルタントに委託し実施した。また道路詳細設計(L160m、W12m)を行う市道野田須知山線道路詳細設計業務(綾部市上野町)を牧草総合設計に委託し実施。
京都府中丹東土木事務所は、広野綾部線道路企画調査業務(綾部市寺町〜上野町)を今年2月に入札し、日本インシークが落札した。広野綾部線の整備に向けて、中山綾部線等とのアクセスルートを検討するもので、業務内容は道路概略設計(B)0・9q。