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建通新聞社(東京)
2021/03/09

【東京】都 外濠の水質浄化へ計画具体化

 東京都は、外濠の水辺を再生するため、水質浄化に向けて導水施設の新設や玉川上水の暗渠区間の改良などを検討している。2021年度は詳細調査を実施するとともに、基本計画をまとめる。結果を踏まえ、22年度以降にも基本・詳細設計に入る見込み。また、多摩川からの通水可能性を調べるため、玉川上水の構造物健全度調査を平行して実施する。
 外濠のうち市ケ谷濠と新見附濠、牛込濠の3カ所(総延長1・5`、幅員60b)では、外濠が閉鎖空間となっているため水が滞留し、アオコの発生により悪臭や景観上の問題が生じている。
 そこで、玉川上水のうち、暗渠となっている下流部区間を改良するとともに、終端である四ツ谷大木戸から外濠までの約2`をつなぐ導水路を新設し、水の流れを生みたい考え。また、下水吐口から雨水が流入することで、水質の悪化も招いていることから、雨水流入対策も合わせて講じる。
 玉川上水は、かつては外濠と接続する濠池管(ごうちかん)が敷設されて通水していたが、現在では管が使用できない状態となり、外濠とは分断されている。
 導水路を整備した上で外濠の浄化に必要な水量を確保できるよう、多摩川上流水再生センターの供給余力を活用した下水再生水と、荒川の河川水を玉川上水に導水する。おおむね5日間で水を入れ替え、アオコの発生を抑制する。
 将来的には、玉川上水の水を元の多摩川から引き、玉川上水をよみがえらせる可能性を模索している。このため、玉川上水の構造物健全度調査も併せて実施する。
 20年度は、導水施設の規模や構造を検討するため、基礎調査を日本工営(千代田区)に委託している。基礎調査で導水路のルートや概算事業費、工程をまとめる。
 21年度も引き続き調査を進めるとともに、アオコに対する暫定対策として、水質改善処理剤を散布するなど、幅広く対策に取り組む考え。

提供:建通新聞社