多賀町は、5日開会の3月議会定例会に一般会計48億0400万円、特別会計(9会計)18億6165万2千円、企業会計(2会計)12億5465万4千円から成る総額79億2030万6千円の令和3年度当初予算案を上程した。
一般会計の対前年度当初比は、0・5%(2400万円)の増。普通建設事業費(投資的経費)は18・3%(1億1030万円)減の4億9333万円で、継続のスマートIC整備事業のほか、新規に認定こども園整備事業や都市公園整備事業を予算化。
予算編成にあたっては、令和3年度が初年度となる「第6次多賀町総合計画」に掲げられる新しいまちの将来像の実現に向け、安心安全なまちづくりに必要な予算を最優先に確保し「子育て支援、教育の充実」「定住・移住に向けた施策、地域の元気づくり」に重点配分するとともに、防災や産業活性化、福祉サービスの向上・環境対策など、住み良いまちづくりに向けた予算を確保。スマートICをはじめ投資的経費も緊急性・必要性を見極め予算化した。
主なものは、令和元年度から着手したスマートIC整備事業費には1億7000万円を計上し、国や県・NEXCO・地元と協力しながら、令和4年度末の完成を目指して、用地購入、アクセス道路上下線関連工事等を推進する。また、多賀中央公民館「多賀結いの森」の南側隣接地に新たな公園施設を整備する事業費に4500万円、道路新設・改良・舗装事業費3410万円で町民の生活基盤の充実を図っていく。
さらに、老朽化の多賀幼稚園を改築しこども園化する認定こども園建設事業には7061万円を計上。令和3年度は実施設計、用地取得、道路整備を進め、令和5年4月の開園を目指す。ふれあいの郷空調修繕工事事業費1650万円では2〜3階の空調設備の修繕を実施。
コンサル関係では、萱原地区の土砂災害警戒区域における急傾斜地崩壊対策工事に係る調査・設計費2310万円、大岡高塚古墳群と周辺の整備・活用に向けた基本構想策定経費、ため池1ヵ所の改修に係る設計経費―をそれぞれ計上した。
多賀町の令和3年度当初予算案は次の通り(関係分のみ抜粋、▼印は新規・拡充)。
【子どもの育ちと子育て】
▼認定こども園建設事業=7061万2千円(実施設計および用地取得、道路整備、多賀幼稚園を認定こども園に建て替え)
▽新公園施設整備事業=4500万円(多賀中央公民館多賀結いの森南側隣接地に新たな公園施設を整備)
▽教育振興事業=582万4千円(▼通学路への防犯カメラ設置拡充)
▽GIGAスクール構想推進事業=322万7千円(▼児童・生徒各自にタブレット配布、教材およびセキュリティ対策ソフト他)
【生涯学習・協働】
▽文化財保護・調査事業=4926万6千円(▼名勝胡宮神社社務所庭園の修復経費補助、▼大岡高塚古墳群と周辺の整備・活用のための基本構想策定他)
【安全・安心・健康】
▽常備消防事業=1億5604万1千円(▼犬上分署消防ポンプ付積載車更新事業負担金他)
▽消防・防災施設等整備事業=3719万9千円(▼大杉区/自警団装備品、▼木曽自治会/消防ポンプ、▼月之木区/消防ポンプ、▼四手区/AED他)
▽災害対策事業=1125万2千円(▼防災ハザードマップ更新他)
【環境・コミュニティ】
▽まちづくり活動支援交付金=1275万円(集落機能の維持強化・活性化に交付金)
▽コミュニティ助成事業=620万円(▼多賀区/除雪機・防災備品等、▼河内下村区/除雪機、▼土田区/投光機)
▼生活排水対策推進計画更新事業=200万円(多賀町生活排水対策推進計画を策定)
【まちの活力】
▽農業振興事業=1678万8千円(▼農業機械購入補助、大型特殊免許取得補助等)
▽森林資源循環利用促進事業=617万1千円(町産材を利用した住宅建設に対し補助)
▼彦根長浜都市計画変更事業=117万7千円(彦根長浜都市計画推進連絡協議会にて彦根長浜都市計画全体見直しに係る基礎調査)
【都市基盤・住環境】
▽若者定住支援助成金交付事業=1069万5千円(町内での若者または多世代同居の住宅新築・増築に助成、町内事業者利用には割増助成)
▽空き家対策事業=379万9千円(老朽空き家の除去経費等補助、川相地区でお試し住宅による移住を促進)
▽公共交通対策事業=6179万2千円(近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会負担金、愛のりタクシー運営費負担金および路線バス運行費補助金)
▽合併浄化槽設置事業=356万3千円(合併浄化槽設置および維持管理費補助)
▽土地改良事業=5183万円(土地改良区の維持管理費への助成、芹川ダム耐震改修費および犬上川ダム改修費負担金、▼1ヵ所のため池改修設計)
▽道路新設・改良・舗装事業=3410万円(町道新設・改良、交通安全施設整備等)
▽スマートIC整備事業=1億7000万円(用地購入、アクセス道路上下線関連工事等に係わる経費の負担)
▽急傾斜地崩壊対策事業=2310万円(萱原地区の土砂災害警戒区域内において急傾斜地崩壊対策工事に係る調査・設計)
▽地籍調査事業=547万6千円(継続の梨ノ木地区と多賀地区)
【行財政】
▼電子入札システム利用事業=124万5千円(インターネットを利用した入札執行が可能となるシステム導入)
▼入札参加資格申請共同受付事業=13万7千円(滋賀県および県下19市町の入札参加資格申請受付事務共同化に向システム構築)
▽6町行政情報システム共同利用事業=4780万2千円(県内6町行政情報システムの共同利用)
▼LGWANチャットシステム利用事業=33万9千円(LGWAN接続系で利用可能なビジネスチャットシステムを導入し、行政内部および他自治体との非同期コミュニケーション環境を整備)
▼ふれあいの郷空調修繕工事事業=1650万円(ふれあいの郷2階社会福祉協議会ゾーンと3階検診室の空調設備の修繕)
提供:滋賀産業新聞