名古屋市観光文化交流局は、久屋大通公園南エリアの光の広場に設置を構想している、民設民営の多目的アリーナの整備可能性について、最大3000人規模の施設であれば整備が可能だとの検討結果を本紙に明らかにした。2021年度は、住宅都市局が検討を進めている久屋大通南エリアの再整備プラン検討において、まちづくりの観点から多目的アリーナの位置付けなどを決めていく見通しだ。
本年度当初における多目的アリーナの想定は、光の広場内の6500平方b程度を利用して、鉄筋コンクリート一部鉄骨造3階建て延べ1万1000平方b規模(5000人規模)のアリーナ設置を構想していた。
想定規模のアリーナ整備が可能かどうかの調査は、山下設計中部支社(名古屋市中区)に委託して実施。5000人規模のアリーナ整備自体は可能であるものの、光の広場地下を横断する地下鉄の構造物があり、5000人規模で整備する場合は大規模な地盤改良などが必要になるとの結果だったという。多目的アリーナは民設民営方式での整備を前提にしているため、地下鉄構造物に影響を与えない、光の広場の東側部分で整備する場合、2000〜3000人規模の施設整備が可能だとする。
本年度の検討調査では、事業者ヒアリングも実施。コロナ禍にはあるが、イベント・コンサート会社にとって2000〜3000人規模の中規模ホールの需要は高いとの感触を得たという。ゼネコンやデベロッパーといった事業主体となり得る企業も参入意欲は高いようだ。一方、商業・鉄道系の事業会社は好反応はしていないという。
多目的アリーナの整備は可能との結論は得た一方、久屋大通公園南エリア内での多目的アリーナの位置付けや周辺環境との調和などはこれまで検討を行っていない。住宅都市局は、南エリア内の再整備プラン策定を当初予定より1年遅らせ、21年度内に再整備プランを策定する考え。再整備プランの中で多目的アリーナの位置付けなどを決めていく見通しだ。
提供:建通新聞社