甲賀市は、老朽化が進む信楽保育園・幼稚園の園舎改築事業を計画、来年度に改築に係る調査等を実施し、22年度からの基本設計着手に向け、事業を進めていく方針だ。
同保育園・幼稚園は、信楽町江田969の敷地内にある、教育棟1棟(S造平屋建、1085平方b)を分割して使用しており、同棟が77年(昭和52年)に建設し築40年以上経過し、屋根・屋上や受配電・給排水設備や空調等の修繕が必要となっていることから、安全面も含め改築を行うこととした。
概算事業費は、約5億4400万円を見込んでいる。
市は、子どもの育ちをめぐる環境の中で、▽核家族化の進行▽兄弟姉妹数の減少▽家庭や地域における人と人とのつながりの希薄化―などの全体課題と、老朽化が進行している教育施設が市内に多くあり今後ますます維持管理費用が増加することなどの問題点をふまえ、解決に向けた取り組みを着実に進めるために過年度に「甲賀市幼保施設長寿命化計画」を策定、解決に向けた施策の展開を図る方針を示した。今回の改築は同計画内に示されたもので、改築を行いより安心で安全な教育環境の提供が必要との判断から行うとしている。
市の保育園・幼稚園の施設保有状況は、保育園が16園・幼稚園が1園・幼保一元化園4園―となっている。延べ床面積は計1万8259・9平方bで、建築後30年以上経過している建物が1万3126平方bで約70%の施設に対策が必要となっている。具体的な対策として、伴谷・岩上保育園等は閉園し、大野保育園、甲賀西保育園、土山保育園・土山幼稚園や甲賀西保育園南分園油日保育園は28年(令和10年)までに部分修繕を実施する。朝宮・雲井保育園は耐力度調査を行い、耐震性の確認を行うと同時に施設老朽箇所・修繕必要箇所の把握に努めていく模様。
また、甲南西保育園(S造平屋建、529・74平方b)・甲南東保育園(S造平屋建、447・17平方b)・甲南南保育園(S造平屋建、529・74平方b)―の計3園は、統合し新たに私立の認定こども園を設置する。早期に施工地を選定し工事へと進めていく見通しだ。
提供:滋賀産業新聞