徳島市は2021年度当初予算案に庁舎防災機能強化事業費330万円を計上し、津波・浸水対策に向けた調査を進める考え。調査の主な内容は、庁舎電源設備等の移設の調査・検討で、21年度に業務を委託し基本方針としてまとめる計画だ。
市役所本庁舎の地下にある公用車駐車場や自家発電設備など重要な設備の防災機能を強化する。現在、庁舎の地下1階と地下2階に公用車駐車場、地下1階に来庁者駐車場を配している。さらに設備として地下1階に中央監視設備、空調設備(南館用)など、また地下2階に冷温発生設備、引込受電変電設備、自家発電設備、空調設備(本館用)、受水槽、消火設備などをそれぞれ設けている。東日本大震災後、これらの設備を屋上など上階に移設する防災機能強化が図られる中、供用以来手つかずのままとなっている。地下へ通じる6カ所の入り口にはそれぞれ防潮板を設けているが、道路面から1・5bの浸水は防ぐことができるものの、南海トラフ巨大地震で想定される津波高には耐えられない状況となっており、津波浸水対策が急務となっている。
防災機能強化は、昨年8月に開かれた「市重要課題等に係る外部評価委員会」で問題提起された。現状では、地下設備を屋上に上げられず、地上に上げるにも敷地内では十分なスペース確保が難しいことから、これらの地下重要設備等の移設先を水道局庁舎跡地または本庁舎北側付近とする考えが示されており、今後、移設先を含めた検討を進める。
提供:建通新聞社