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建通新聞社(東京)
2021/03/03

【東京】都建設局 ICT活用拡大へ要件緩和

 東京都建設局は、ICT活用工事の拡大に向け、小規模工事でもICTを導入しやすい環境を整える。受注者希望型のICT活用工事では、適用条件を緩和し、測量から設計、施工、施工管理、納品のいずれか一つの工程にICTを活用すれば、必要経費を計上する。また、2021年度は適用工種を拡大し、ICT舗装工(修繕工)とICT地盤改良工(深層)、ICT法面工(吹付法枠工)を追加する。3月2日に開いた建設局ICT活用工事等推進連絡会で説明した。
 建設局が発注するICT活用工事は、都が指定する「発注者指定型」と、受注者から希望があった場合に適用する「受注者希望型」の2パターンがある。
 ICT活用工事の適用率は増える傾向にあるものの、対象工種のうち最も実績が多い土工の適用率は、1万立方b未満で8%、1万立方b以上でも23%にとどまっている。 
 都内では大規模な土量が発生する工事が限られていることに加え、マンションや高層建築物が立ち並んでいるためにGNSSの受信環境が悪く、適用できる工事が限られている。多摩部の山間部でも、斜面や森林が障害となり、衛星との接続が困難な現場が多いのが現状だという。
 また、小規模工事では、ICT建機のリース費用などがかさみ、コスト面でのスケールメリットが乏しい傾向にある。
 連絡会では、これらの課題を解決するための取り組みとして▽小規模工事での活用策検討▽非GNSS環境での施工促進▽現場での機運醸成―の3点を示した。
 ICT活用工事の流れは、@3次元起工測量A3次元設計データ作成BICT建機による施工C3次元出来型管理などの施工管理D3次元データの納品―という5ステップ。
 建設局の発注方式のうち、発注者指定型では、@〜Dの全てを実施しないとICT活用工事として認めていない。一方、受注者希望型ではいずれか複数の工程でICTを導入すれば必要経費を計上している。
 21年度からは受注者希望型の条件を緩和し、1ステップでも実施すればICT活用工事と見なし、必要な費用を計上するよう変更する。
 非GNSS環境での施工促進に向けては、受注前に現場条件が分かるよう、GNSSが受信できる場合は設計図書に明記する。非GNSS環境でも、自動追尾型トータルステーションなど、GNSSに代わる位置情報の活用について周知を図っていく。

提供:建通新聞社