甲賀市は、紫香楽宮跡関連遺跡群を活用し新たな観光拠点施設を建設する「紫香楽宮跡史跡整備」について、新年度当初予算案に公園整備基本設計費1040万円を計上、予算が認められ次第、発注準備へと進めていく考えだ。
現在のところ、6月頃の業務委託となる見通し。同業務内で整備規模や内容の精査を行う方針だ。
その後のスケジュールは、22年度に実施設計、23年度から2ヵ年で各種工事を進め、24年度内をメドに事業を完了させていく模様。
同整備は、文化財保護法に規定される国指定の信楽町大字宮町堂浦及び西出地内の約8990平方b内に、遺構の概要を見学者に説明するS造平屋建、471・89平方bの遺構保存活用施設、施設のエントランス部分として面積3628・76平方bの透水性舗装の多目的広場、見学スペースとして遺構周辺を張芝で囲む面積2540平方bの芝生地、地内に雨水処理構造物が埋設できないことから代替処理施設として面積1370平方bの雨水調整地や案内板・説明板の設置―などの整備工事を計画的に行うもの。
総事業費は約4億4000万円程度としている。上述した通り、今回発注する基本設計業務内で新たに整備項目が増えた場合は、更なる事業費の上積みの可能性もある。
紫香楽宮跡は、奈良時代中頃に聖武天皇が造営した都城遺跡で、当時の日本の首都に当たると言われている。宮町地域をはじめとする雲井地区からは同宮跡の観光地化整備を望む声が多く、市としても自然と歴史・産業・文化・芸術をネットワークで結ぶ構想推進に寄与するとの考えから、公益性が高いと判断し整備着手を決めた。
提供:滋賀産業新聞