不動産経済研究所がまとめた2020年の全国マンション市場動向によると、全国発売は対前年比15・2%減の5万9907戸となり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で1976年以来、44年ぶりの低水準となった。近畿圏の発売は対前年比15・8%減の1万5195戸。このうち、大阪府で最も落ち込み、6年ぶりに1万戸を下回った。2021年の近畿圏の発売見込みは、対前年比18・5%増の1万8000戸を見込む。
近畿圏の府県別発売戸数は、大阪府が対前年比29・6%減の9088件、兵庫県が同0・2%減の3403件、京都府が同70・9%増の1384戸、奈良県が同231・6%増の524戸、滋賀県が12・2%減の607戸、和歌山県が同177・9%増の189戸となった。減少した地域のうち、大阪府が対前年比3817戸減と最も落ち込み、6年ぶりに1万戸を下回った。
近畿圏のマンション価格は、1戸当たりの平均価格が4181万円で対前年比8・1%増となり3年連続のアップ。1平方b当たりの分譲単価は69万1000円で対前年比1・6%増となり、8年連続で上昇した。和歌山県で1戸当たりの平均価格と1平方b当たりの分譲単価がともに下落した以外はいずれの府県も上昇しており、このうち大阪府は1戸当たりの平均価格が2桁アップしている。駅前立地などは用地取得が難しく、地価も高い状態が続くことが予想されるため、マンション価格も当面は高値が続くとみられる。
近畿圏の売主・事業主別の20年供給戸数ランキングは、2766戸のプレサンスコーポレーションがトップ。さらに同社は全国の供給戸数ランキングで初めて首位となった。近畿圏2位は1861戸でエスリード(全国5位)、3位は670戸で日本エスコン(全国19位)だった。
近畿圏の売主・事業主別の20年供給戸数上位20社は表の通り。
提供:建通新聞社