飛騨市は、北吉城クリーンセンターをし尿処理の中継施設に転換するための改造工事費として、2021年度当初予算案に5500万円を付けた。今のところ年度後半に工事を発注し年度内に完了する方針だ。発注方式や条件は現在まとめている設計の中で固める。
市内には、北吉城クリーンセンターとみずほクリーンセンターの2カ所のし尿処理施設が稼働している。北吉城(神岡町吉ケ原36)は処理能力日量32`gで、1996年度に供用開始した。みずほ(宮川町三川原1083)は、処理能力日量40`gで、2003年度に供用開始した。
いずれの施設も老朽化が進んでいる。また下水道普及率が上がり人口減少も要因となって、くみ取り式や浄化槽汚泥の搬入・処理量が減少している状況のため、処理能力が高いみずほの処理機能を残し北吉城を中継施設とすることにした。
工事は、北吉城のし尿や汚泥を一時的にためておく各槽の防食塗装改修の他、これに関連する配管や電気設備の改造を行う。稼働しながらの工事となる。詳細は現在進めている実施設計で固める。
21年度内に完了し22年度当初からの運用開始を目指す。
また中継施設に転換した後は、使用しなくなった処理設備などの最終清掃や残留物の処理の他、工事期間中に北吉城クリーンセンターで処理できないし尿をみずほクリーンセンターに運搬する業務を専門業者に委託する。21年度予算案には、委託費として2100万円を計上した。
統合後は、双方の施設の老朽箇所で補修する必要がある場合は必要に応じて順次整備する方針。上屋部分の老朽化も進んでいるが、今のところ耐震的に問題はない。
改造に伴う実施設計は中央設計技術研究所飛騨事務所(飛騨市)が3月26日までの履行期間で進めている。
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建通新聞社