建通新聞社(東京)
2021/02/26
【東京】都 臨海部を世界最先端モデル都市に
東京都は、東京湾臨海部を世界最先端の持続可能都市に育てる方針だ。50年・100年先を見据えた臨海部のビジョンを示す「東京ベイeSGプロジェクト」案を公表した。環境関連企業の集積を進めるとともに、ドローンや空飛ぶ車、自動運転をはじめとした最先端技術の実装エリアとし、世界中から人と投資を呼び込む。実現に向けた具体的なスキームの検討に2021年から着手する。
同プロジェクトは、都政の方向性を示す長期計画「『未来の東京』戦略」案に盛り込んだ主要プロジェクトの一つ。気候変動や感染症を乗り越え、「自然」と「便利」が融合した持続可能な都市をつくる。
プロジェクト案では、21〜30年に目指す姿のイメージとして、キャッシュレス化をはじめとした最先端技術の導入と域内公共交通のZEV化、舟運の活性化などを挙げた。環境関連企業の集積を進め、東京湾の埋め立て地などは最先端エネルギーの巨大実装エリアとして開放。大規模な規制緩和を実施することでドローンや空飛ぶ車、自動運転をはじめとした最先端技術の技術の実装に取り組む企業を支援する。
また、都心部・臨海地域地下鉄構想の事業化を見越し、都心や羽田空港への交通アクセスの向上も目指す。
これらの事業を成長させ、30〜50年代には、世界最先端の持続可能都市としての一大拠点としたい考え。域内で使用するエネルギーは、水素を中心とした100%脱炭素化の実現を目標とする。
臨海部には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の関連施設が集積していることに加え、物流ターミナル、東京ビッグサイト、ホテル、マンションなど、民間開発によって職・住・学・遊といったさまざまな用途の施設がすでに立地している。
加えて、民間によるスマートシティの開発や、MaaSの実証実験が行われるなど、さらなる街づくりのポテンシャルを持つエリアだ。
豊洲エリアでは、約246fで「豊洲スマートシティ」が進む。実施主体は、三井不動産や清水建設などで構成する豊洲スマートシティ推進協議会。清水建設が自社開発する「豊洲6丁目4―2、3街区」の周辺エリアを対象とした都市デジタルツインの構築等に取り組んでいる。
有明エリアでは、有明南地区のうち、都有地「有明南G1区画」の売却先となる進出予定事業者がコナミホールディングス(中央区)らコナミグループの3者に、「有明南H区画」がテレビ朝日(港区)に決まった。コナミは、自社グループの開発拠点として延床面積5万2000平方bの施設を提案。テレビ朝日は、延床面積4万4000平方bの施設を新築し、国際展示場として利用可能な多目的ホールや、同社保有コンテンツを利用したイベント・エンターテインメントスペースなどを整備する予定。
提供:建通新聞社