神奈川県警察本部は、交番・駐在所の建て替えにDBO方式(設計・施工・維持管理一括発注)を導入する考えだ。2022年度の建て替え対象分として、幸浦交番や新桜ケ丘駐在所など9施設を予定している。施工後の維持管理期間は50年間。21年度予算案では期間21〜71年度、限度額4億5600万円の債務負担行為を設定する。
県警では「神奈川県交番等整備基本計画」に基づき、20年度からの10年間で約70カ所を統合するとともに、存続させる交番などを1年当たり10カ所程度建て替えることにしている。整備に当たってはコスト面を考慮し、他庁舎への併設、他の公共施設の一部活用(ビルトイン方式)、狭隘(きょうあい)地での施設のスリム化など、柔軟な手法を検討するとしていた。
DBO方式を導入する22年度建て替え対象は、▽幸浦交番(金沢署)▽尻手交番(鶴見署)▽小机交番(港北署)▽京町通交番(川崎署)▽長沢交番(多摩署)▽かしわ台駅前交番(海老名署)▽新桜ケ丘駐在所(保土ケ谷署)▽二俣川ニュータウン駐在所(旭署)▽井ノ口駐在所(松田署)―の9施設。
21年度については、従来方式によって建て替えを進める。対象施設は、▽野庭交番(港南署)▽六会日大駅前交番(藤沢北署)▽今宿交番(茅ケ崎署)▽東海大学駅前交番(秦野署)▽寺尾交番(大和署)▽横山交番(相模原署)▽西富岡駐在所(金沢署)▽長柄東駐在所(葉山署)▽下中駐在所(小田原署)▽大田駐在所(伊勢原署)―の10施設としている。21年度当初予算案には5億4984万円を計上した。
18年4月1日現在の交番・駐在所などは610カ所(交番472カ所、駐在所137カ所、警備派出所1カ所)。その多くで老朽化が進んでおり、110カ所(全体の18%)が築後40年、276カ所(同45・2%)が30年を経過している。耐用年数を超過している施設は81カ所ある。資機材の増強配備や交番用端末などの設置によって、狭隘(きょうあい)化も進んでいる。
提供:建通新聞社