国土交通省東京国道事務所は、東京都23区内に今後3年間でおおむね延長約60`の自転車通行空間を新設する計画をまとめた。対象エリアの直轄国道でこれまでに整備した延長は約19`にとどまっており、今回の目標の達成には事業を大幅に加速する必要がある。東京国道は、レーザー計測装置を搭載した自動車により道路の3次元点群データを取得し、整備前の測量や図面作成、関係機関との協議を短縮し、効率化する。
整備対象とするのは、東京国道が管理する延長約164`の国道のうち、23区内を放射状につなぐ軸となる路線(国道1、4、6、14、15、17、20、246、254、357号)。既に自転車通行空間を整備した区間や自転車の通行を規制する区間、拡幅事業が進行中の空間を除く104`で整備を検討する。ある程度連続して整備が可能な区間から警察などと協議し、3年間でおおむね60`の整備を目指す。
事業の加速に向けて東京国道は、自動車にレーザ計測装置と全方位カメラを備えたMMS(移動計測システム)を活用する。道路の舗装面、ガードレール、周辺まで含めた高精度な3次元データを計測し、公共測量作業規程に則した平面図を作成。これまで時間を要していた現地測量を減らし、図面作成の負担を軽減する。
現地写真や3次元点群データは、データベースに保管し、道路の維持管理の効率化にも活用していく。
車道から分離した自転車道の確保は困難なことが想定されるため、車道の一部をカラー舗装する自転車専用通行帯か、車道内に矢羽根形の路面標示で自転車の通行場所を示す方法を基本とする。整備検討の対象区間のうち、連続した自転車通行空間の確保が困難な箇所は、車線数の削減など道路空間の再分配も検討していく。東京都、区とも連携し、自転車が通行するネットワークの形成を目指す。
提供:建通新聞社