岐阜県は2月18日、防災・減災・県土強靱(きょうじん)化のインフラ整備費などを盛り込んだ2021年度当初予算案を発表した。一般会計は8704億円で、コロナ関連予算の332億4600万円余を除くと9年ぶりの減額予算となった。建設関連では、県土整備部が前年度当初比24%減の637億4800万円、都市建築部が同比11・9%減の138億2400万円となり、農政部が同比7%減の282億7400万円、林政部が同比9・8%減の186億6000万円となった。
コロナ関連予算を除いた一般会計は8371億円で前年度当初比0・6%減となった。一般会計のうち投資的経費は同比0・3%減の1522億7100万円(普通建設事業費約1473億円、災害復旧事業費約49億6500万円)となっている。普通建設事業費のうち単独建設事業費は同比9・9%減の548億7200万円で、直轄事業負担金を含む補助事業費は同比3・7%増の924億3300万円となった。特別会計は同比7・7%減の3703億7453万円で、うち公営企業会計が0・4%増の206億5078万円。一般会計と特別会計を合わせた予算総額は0・2%増の1兆2407億3453万円とした。
コロナ関連予算としては、3月補正分を合わせ、感染拡大対策や医療・福祉体制の確保などのウィズコロナ予算として344億円を付けた。またアフターコロナ予算として、デジタルトランスフォーメーションの推進などに53億円を充てる。防災・減災、県土強靱化に向けたインフラなど整備として342億2088円(3月補正含む)を付けた。また新県庁建設では敷地内道路や公園外構を進めるとともに、移転に向けた基本計画の策定や県庁の具体的な運用検討などを行う。
岐阜県の21年度予算案は、20年2月に県内で初めて新型コロナウイルスが確認され、いまだ収束していない中、コロナ対策を重点的課題に位置付け「県民の暮らしを守り抜く」施策と、コロナの先を見据えた施策に全力で取り組みつつ、これまでの魅力ある清流の国ぎふづくりにも力を入れる方針だ。
また財政運営については、コロナ禍による税収減や対策による歳出増に加え、社会保障関係経費の増加や社会資本の老朽化、県庁舎再整備への対応など厳しさが増している中、重要課題に財源を振り分けた未来志向、課題解決型の予算とした。歳出の見直しや財源確保策を講じて100億円を越える財政調整基金を確保するなど、財政の健全性に配慮した。
これを踏まえ予算方針として「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の他、「清流の国ぎふを支える人づくり」「健やかで安らかな地域づくり」「地域にあふれる魅力と活力づくり」を掲げた。
建設関連の主な新規事業を見ると、ウィズコロナ・アフターコロナでは、在宅オンライン診療施設整備を支援する。
清流の国ぎふを支える人づくりでは、花の担い手育成拠点となる花と緑の振興センターの設置を準備する。
地域にあふれる魅力と活力づくりでは、街頭防犯カメラの設置支援の他、地域公共交通計画の策定に向けた調査、新庁舎の建設整備を進める。
地域にあふれる魅力と活力づくりでは、リニア中央新幹線活用戦略のブラッシュアップなどに取り組む。
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建通新聞社