長浜市は19日、一般会計518億円、特別会計(6会計)258億4500万円、企業会計(3会計)277億1883万1千円から成る総額1053億6383万1千円の21年度(令和3年度)の当初予算案を発表した。
一般会計の対前年度比は3・5%(19億円)の減。特別会計と企業会計をあわせた総額でも3・8%減となった。同報系防災行政無線整備費や幹線市道整備事業費の減はあるものの、市営住宅整備事業費や長浜伊香ツインアリーナ第2期整備事業費等の増加により、普通建設事業費は4・4%(1億5300万円)増の36億5700万円。
感染拡大防止の徹底や市民生活の支援・経済活動の回復の取り組みを継続することで、市民の安全・安心を確保しつつ、ウィズコロナ・ポストコロナ時代に向けた「新たな日常」を見据えた未来へつながる取り組みを強化することで、総合計画の着実な推進に向け、費用対効果の高いメリハリのある政策型予算を編成。
また、公共施設の改修や解体、行政デジタル化の推進等の喫緊の課題については、20年度3月補正予算へ前倒して編成し、21年度当初予算と一体的な編成を行った。
主なものは、長浜伊香ツインアリーナ第2期整備事業費に2億5074万円を計上(うち20年度補正が1億7738万9千円)。全国規模の大会が開催できる施設として駐車場や広場の整備、グラウンド防球ネット他の改修に取り組み、地域の活性化と市民の健康増進を図る。
また、長浜城歴史博物館耐震改修事業は1億3700万円を計上し、補強壁設置とエレベーター更新による博物館の耐震・耐火で来場者・職員・収蔵品の安全を図るとともに、施設を長寿命化する。
道路関連では、2億4064万8千円を計上した地福寺神照線整備事業では、用地買収と一部区間に着工し、交通の円滑化と歩道整備による通学路の安全対策を確保。南田附神前線整備事業2億0325万2千円では国道8号から拠点病院の長浜赤十字病院への輸送道路として改良し、防災・医療機能の向上を図る。
また、丹生ダム建設事業の中止に伴う地域整備事業費1億0650万円は、市道はじめ社会資本の整備や地域振興事業によって、地域の安全と持続可能な取り組み育成を図る。
長浜市の21年度当初予算案の主なものは次の通り(関係分のみ抜粋、▼印は拡充・新規)。
【重点プロジェクト】
▽民間放課後児童クラブ参入促進事業=480万円(長浜北・神照・南郷里・長浜南・高月小から半数以上を受け入れた新規開設民間児童クラブに家賃・土地賃貸料年上限120万円を最長4ヵ年補助)
▽地域再生エリアコーディネート事業=240万円(長浜まちづくり鰍ニ連携し利用可能な空き町家の掘り起こし、再稼働までを面的に促進)
▽景観保全対策事業(歴史的建造物調査委託事業)=280万円(北国街道木之本宿区域・重要伝統的建造物群保存地区への選定に向けた建造物や歴史的まちなみの調査)
▽小谷城スマートIC周辺6次産業化推進事業=1075万4千円(地域産業誘導地区に新アグリビジネス創出のため出口戦略を持つ企業の誘致・連携を推進等)
▽水田野菜・花き栽培生産拡大推進事業=1000万円(水田野菜及び花き栽培に必要な機械の導入上限300万円、水田の暗渠排水整備上限100万円を支援)
▼田村駅周辺空間活用事業=150万円(大学・企業・地元等との協働による社会実験を実施、田村駅周辺の道路・河川・公園・広場・公園等公共空間の活用案を作成)
【教育・文化】
▽長浜伊香ツインアリーナ第2期整備事業=2億5074万円(駐車場および広場整備、グラウンド防球ネットおよびトイレ、倉庫棟の改修/20年度発注分1億7738万9千円、舗装工事、植栽工事等/21年度発注分7331万5千円)
▽教育の情報化推進事業=3943万7千円(特別教室に大型提示装置を配備・導入しICT機器・デジタル教材を活用できる環境を拡大/大型掲示装置等等整備分801万9千円、市内全小中学校・義務教育校に児童生徒の個人情報の一元管理、教員間の情報共有、学習データの利活用ができる校務支援システムを導入/校務支援システム導入分1141万8千円他)
▼保育業務支援システム導入事業=8492万2千円(公立幼稚園、保育所、認定こども園計19園に保育支援システムの導入と園舎内の環境整備)
【産業・交流】
▼長浜城歴史博物館耐震改修事業=1億3700万円(国宝・重要文化財を保管・展示する博物館法に基づく博物館として、コンクリート補強壁の設置による建物の耐震化と耐火・耐震エレベーターへの更新)
▼商店街空き店舗活用スタートアップ支援事業=600万円(長浜商工会議所と連携し出店可能な商店街の空き店舗を選定し、新規出店事業者を募集・選定、定着を促進)
▼日本遺産魅力増進事業=276万円(敦賀市、南越前町と連携し鉄道遺産に共通の案内看板等の整備他)
▼園芸施設用ビニールパイプハウス類設置事業=1230万円(イチゴ、トマト等園芸施設用ハウス整備に上限150万円、既存水稲育苗ハウスの園芸施設用への有効活用に上限30万円を補助)
▽農村地域防災減災事業=1100万円(ため池ハザードマップを作成した農業用水利施設を有するため池の耐震診断調査)
▼林道治山維持管理事業=5623万2千円(豪雨等の影響により被災した箇所の災害復旧工事、被害の拡大を未然に防ぐ横断水路の改修等の予防工事、林道の草刈りや水路清掃等の維持管理業務を充実させ安全確保と被害軽減を図る)
【安心・安全】
▼告知放送システム改修事業=990万円(民間事業者との協働による余呉、西浅井地域の長浜市地域防災情報連絡施設の民営告知放送システムとしての利活用)
【産業・都市】
▼デジタル行政推進事業=2498万3千円(専用ICT機器を用いて庁外から庁内ネットワークシステムに接続し、遠隔で業務遂行できるリモートワークの環境整備他)
▼中心市街地活性化ミライビジョン策定事業=822万1千円(中活での整備施設を活かしたソフト施策先行のまちづくりに向け、人材ネットワークや継続的取り組みを促す仕組みの構築に向けた社会実験他)
【環境・都市】
▼統合型GIS利便性向上事業=862万4千円(市民公開GIS[長浜市地図サービス]の充実、都市計画課窓口への情報閲覧端末の導入)
▽豊公園再整備事業=6600万円(長浜駅西口交差点から長浜城歴史博物館までの園路・庭園の再整備)
▼地福寺神照線整備事業=2億4064万8千円(事業対象地の用地買収・物件補償、一部区間道路工事)
▽南田附神前線整備事業=2億0325万2千円(市道南田附神前線第3工区道路改良工事、国道8号交差点改良工事、物件移転補償)
▽市営住宅北新団地建替整備事業=8億4790万6千円(市営住宅建設工事、余剰地整備工事他)
▼丹生ダム建設事業の中止に伴う地域整備事業=1億0650万円(上丹生地区消雪施設改修、市道下丹生上丹生線他舗装修繕工事、地域振興事業)
提供:滋賀産業新聞