舞鶴市は17日、一般会計が358億4726万円(前年度比2・8%増)の令和3年度当初予算案を発表した。次期最終処分場整備事業費、清掃事務所第一工場整備事業費、橋りょう長寿命化事業費などに予算を充当した結果、一般会計の普通建設事業費は45億8967万6000円(同14・5%増)となった。
5つの特別会計の合計は180億8664万円(同1・5%増)、3つの公営企業会計の合計は121億6908万円(同5・5%増)で、特別会計・公営企業会計の合計は302億5572万円(同3・1%増)。一般会計と特別会計・公営企業会計を合わせた総額は661億0298万円(同2・9%増)となった。
特別会計の主なものは、貯木事業が210万円(同101・9%増)、駐車場事業が8239万円(同12・7%増)など。公営企業会計は水道事業が33億3980万円(同4・9%減)、下水道事業が77億6960万円(同11・8%増)、病院事業が10億5968万円(同1・0%減)。
また5億7819万円を増額する令和2年度一般会計補正予算案(10号)、3億9844万円を減額する同(11号)を提出する。
10号補正は新型コロナウイルス対策が中心。建設関連では、土木費で橋りょう長寿命化事業費に5985万円を計上し、同市平の舞鶴クレインブリッジの支承の復旧工事に充当する。
11号補正では、道路浸水対策事業費に2090万円を計上。国庫補助金の追加内示を受けたことに伴い増額補正を行うもので、当初予算額3000万円に2090万円を加え5090万円とする。
高潮時の道路冠水解消のため、フラップゲートの整備を行い、浸水被害の軽減を図る。対象は同市浜の五條通線。
京都舞鶴港整備事業負担金に1680万円を計上。国庫補助金の追加内示を受け、事業負担金を追加するもので、当初予算額200万円に1680万円を加え1880万円とする。
内容は、臨港道路和田下福井線の整備促進(凍結防止装置詳細設計、橋梁上部工工場製作工等)。
債務負担行為で新規事業として文化公園体育館再生可能エネルギー実装事業費に限度額3700万円を設定。オムロンソーシャルソリューションズの共同事業により、LED照明、太陽光発電設備、蓄電池、EMS(エネルギーマネジメントシステム)を設置する。
予算以外では、旧市立舞鶴市民病院(西棟)改修工事について、契約金額を5億7730万2000円から6億1666万円に変更する工事請負契約変更案を提出する。契約相手方は丸富−坂根−丹和特定建設工事JV。
施設の老朽化に伴い、滞在型農林業体験実習施設(トレーラーハウス「あいかわ」)(西方寺平地区)を廃止するため、滞在型農林業体験実習施設条例を廃止する条例案を提出する。令和3年度当初予算案には除却費用を盛り込んだ。
このほかでは、小倉・堂奥地区の地区計画策定と堀地区の地区計画策定に関する条例改正案、西大浦、田井、池内及び岡田中・八雲の各辺地に係る公共的施設の総合整備計画の変更案などを提出する。
会期は2月24日から3月29日まで。
予算案の主な内容は次の通り(▼は新規)。
◆一般会計◆
【総務費】
▼引揚記念館整備事業費=1500万円
快適に利用できる施設としての環境改善と長寿命化を図るため、経年劣化が著しい引揚記念館と引揚記念公園に送水している給水ポンプ施設の改修(移設)を行う。給水ポンプ施設(受水槽含む)の改修(移設)で、記念館内のトイレや飲食施設、記念公園のトイレに送水している給水ポンプは昭和63年3月設置
▽世界記憶遺産資料保存活用事業費=204万1000円
保存・展示環境の調査の実施、舞鶴引揚記念館収蔵資料保存活用計画の改定等
▽地方創生拠点整備事業費=6億1377万円
令和3年度事業内容は、○赤れんがパーク周辺整備(赤れんが博物館前広場等整備、海側遊歩道等用地取得、建物移転補償、文庫山法面等調査設計)○民間活力導入に向けた公募実施
▽まちなか暮らし推進事業費=636万6000円
舞鶴高専及び自治会長をはじめ、宅建協会等と連携し、空き家を市が直接賃貸借し、リフォームして「居住促進(お試し)住宅」を開設する
▽北近畿タンゴ鉄道支援事業費補助金=8349万円
北近畿タンゴ鉄道の実施する安全性の向上に資する鉄道施設の設備投資・更新に対する補助等
【民生費】
▽子育て世帯住宅リフォーム等支援事業費=1090万円
住宅リフォーム工事(補助額は事業費×1/2(限度額100万円))
【衛生費】
▼公共施設再生可能エネルギー利活用調査事業費=7000万円
再生可能エネルギーを利用した空調設備等導入の実現可能性調査及び実施設計。対象施設は舞鶴文化公園体育館、中総合会館
▽次期最終処分場整備事業費=6億0180万円
令和3年度中の供用開始を目指す
▽(清掃事務所)第一工場整備事業費=12億4818万円
5ヵ年計画の3年目となる令和3年度は、詳細設計に基づき、設備更新工事として○受入供給設備(投入扉、ごみクレーン)○燃焼設備(投入ホッパ、燃焼装置、空冷板煉瓦等)○燃焼ガス冷却設備(ガス冷却室、ガス冷却用噴射ノズル等)○排ガス処理装置(ろ過式集じん機)○通風設備(押込送風機、空気予熱器、ガス減温器、風道等)○灰出設備(焼却灰押出装置、灰クレーン、異物除去装置等)○電気設備(動力・現場制御盤部分更新)○計装設備(電油操作器、4成分分析計等)を施工する
【農林水産業費】
▼農業公園等施設整備事業費=600万円
農業公園舞鶴ふるるファームの正面入口の木製看板の損傷が激しいことから新たに看板を更新(森林環境譲与税対象事業)。また滞在型農林業体験実習施設(トレーラーハウス「あいかわ」)(西方寺平地区)を経年劣化のため除却
▽農村移住・交流促進事業費=1467万4000円
移住促進住宅(空き家提供住宅)改修等補助1457万円。補助対象は移住促進特別区域(加佐地区、大浦地区、池内地区)内の空き家であること
▽万願寺甘とう振興事業費=1614万2000円
万願寺甘とうの生産拡大を図るための施設等の整備、パイプハウス整備支援1200万円(予定施設8棟、補助率5/10)等
▼新集落営農総合対策事業費補助金=382万5000円架構処理施設兼飲食スペース改修費(既存建築物の改修)315万円等
▼園芸施設栽培振興事業費補助金=760万5000円
園芸作物の経営の安定化を図るための施設等の整備、パイプハウス整備支援760万5000円(予定棟数5棟、補助率4・5/10)
▽基盤整備促進事業費=3180万円
ほ場整備(区画整理)で朝来中地区は換地原案作成業務200万円(府営事業を受託)、令和3年度から区画整理工事に着手(府直営)、泉源寺地区は換地等調整業務280万円(市営事業)、事業計画策定1600万円(府営事業を受託)、女布地区は事業予定地での遺跡調査(府直営)、浦江・油江地区は事業計画策定1100万円(府営事業を受託)
▽農村地域防災減災事業費=4180万円
農業用ため池の防災減災事業、ため池の廃止・安全対策へ向けた調査設計業務2ヵ所(宮谷池(溝尻)、田中池(田中))、ため池安全対策工事1ヵ所(アワジ池(上安))
▽土地改良施設維持管理適正化事業費=426万4000円
西方寺地区のファブリダム(ゴム堰)用水機械設備整備一式、工事費400万円、積立費等26万4000円
▽森林経営管理推進経費=2201万2000円
林業施業地集積に対する意向がまとまっている地域において境界確定化のための測量の実施、施業地所有者に対する意向調査の実施(森林環境譲与税対象事業)
▽災害に強い森づくり事業費=3040万円
平成30年7月の豪雨災害の再度被害を防止するため治山施設の設置を行う。規模の大きな治山事業について府の委託事業により、治山施設を設置し荒廃した森林及び渓流の整備を実施する。施工箇所は布敷地区で治山ダム工一式
▽林道改良事業費=2200万円
林道上漆原線の林道路面改良L400m
▽漁港海岸保全対策事業費=9245万7000円
竜宮浜漁港海岸保全対策事業8665万7000円、三浜地区の2号離岸堤の嵩上げL35m、消波ブロックの製作・設置、小橋地区のかごマットの製作設置他L8m等
【商工費】
▼みなとオアシス登録推進事業費=132万円
京都舞鶴港の「みなとオアシス」(国土交通省港湾局長認定の交流施設)登録を目指し、賑わいの創出に係る検討や課題の抽出を進める
【土木費】
▽道路除雪対策事業費=8270万9000円
除雪作業、凍結防止剤散布、除雪機更新(大型除雪機2台8t車、小型除雪機5台トラクター式)
▽交通安全推進事業費=2680万円
[歩道の整備や交差点改良等を推進]丸山通線(丸山口町)の歩道整備、[ゾーン30など面的な交通安全対策の実施]桃山地区の速度抑制対策の実施、[ガードレール、区画線、道路照明など道路安全施設を設置]市内全域
▽幹線道路整備事業費=4億0826万円
和泉通線(森本町)の拡幅改良、引土境谷線(伊佐津、境谷)の拡幅改良
▽地域間連絡道路整備事業費=4500万円
別所岸谷線(別所〜岸谷)の法面対策他、白滝線(白滝)の部分拡幅
▽防衛施設周辺整備事業費=500万円
男子校下通線(余部上)の歩道改良
▽道路施設長寿命化事業費=2840万円
トンネル長寿命化修繕計画による修繕で道芝トンネル剥落対策工事、舗装修繕で潮路通線(浜)、三笠通線(浜町)
▽橋りょう長寿命化事業費=1億6900万円
橋りょう長寿命化修繕計画に基づく点検及び修繕、(点検)197橋、(修繕)舞鶴クレインブリッジ(平)、浪速橋(溝尻)、新川橋(浜)のほか、舞鶴高専との共同研究等
▽(東西市街地の浸水対策事業)市街地浸水対策=1345万円
逆流防止施設設置工事(河川・水路等にある排水口に逆流防止弁を設置する)、宅地嵩上げ助成制度で新たに東市街地を追加、逆流防止施設等保守、排水ポンプ車維持管理
※なお別途、下水道事業会計で東西市街地の浸水対策事業として10億1500万円計上
▽河川整備事業費=7650万円
福井川(上福井)の護岸改修、榎川(余部上)の護岸改修、小倉川(小倉)の浚渫、早稲田川(朝来)の浚渫他
▽由良川水防災対策促進事業費=666万8000円
志高排水路の整備費、地域内に発生した雨水等をスムーズに排出させるための水路整備を行う。水路設置、法面保護工
▽京都舞鶴港整備事業負担金=2200万円
臨港道路和田下福井線の整備促進(橋梁上部工工事(輸送工、現場架設工)、交差点部工事)
▽まちづくり推進事業費=6710万円
まちなか活性化事業費6460万円(歴史のみち整備工事)田辺城址周辺測量等業務委託他、伝統的建造物群保存対策事業費250万円(建物調査及び報告書作成に係る費用等)
▽西舞鶴道路整備等促進事業費=1447万2000円
国道27号西舞鶴道路の整備促進、その他国事業の促進(木ノ辺川河川改修工事(今田)、天清川逆流防止施設設置工事(倉谷))
▽府道小倉西舞鶴線等改良促進事業費=1451万2000円
倉谷地区の4車線化事業の促進(道路築造・舗装工事及び電線共同溝設置工事L320m)
▽都市公園整備事業費=3150万円
舞鶴市公園長寿命化計画に基づき、舞鶴公園照明灯更新工事(南田辺)、常公園他遊具更新工事(常新町他)
▽公営住宅改善事業費=704万円
既設公営住宅改善事業、外壁長寿命化工事設計(白鳥団地)、建替予定団地(長浜団地、北浜団地)の住替先の確保他
【消防費】
▽京都府中・北部地域消防指令センター整備事業費=570万7000円
府中・北部地域の6消防本部により消防指令センターを福知山市消防本部に共同整備。共同指令センター実施設計業務委託、庁舎改修実施設計業務委託(福知山市消防本部庁舎)、京都府中・北部地域消防指令事務協議会事務費。令和3年度に実施設計、令和4〜5年度に指令センター工事、指令システム導入、令和6年4月から運用開始予定
▽消防施設整備事業費=1億4525万2000円
消防ポンプ自動車等購入事業(救助工作車1台、指令車1台、小型動力ポンプ付積載車(非常備消防)1台)、小型動力ポンプ機動力化事業(小型動力ポンプ搬送車(非常備消防)3台)
【教育費】
▽施設整備事業費(小学校・中学校)=9089万6000円
福井小学校体育館屋根改修工事、倉梯小学校校舎屋上防水改修工事、三笠小学校高圧受変電設備改修工事、倉梯小学校・中舞鶴小学校避難器具(救助袋)更新工事、城南中学校高圧受変電設備改修工事ほか
▽歴史文化基本構想活用事業費=204万6000円
令和2年度に作成した舞鶴市における文化財保存活用のアクションプラン「舞鶴市文化財保存活用地域計画」の府下で初の文化庁認定を目指す
【債務負担行為】
▽固定資産土地評価等業務委託経費=3100万円
限度額。期間は令和3〜5年度
▽環境衛生プラント薬品調達経費=2200万円
限度額。期間は令和3〜5年度
▽令和3年度舞鶴市土地開発公社が舞鶴市に代わって用地取得等を行うための事業資金の借入れに対する債務保証=5億7000万円
限度額。期間は令和3〜7年度
▽令和3年度公共用地等取得事業費=5億7000万円
限度額。期間は令和3〜7年度
◆水道事業◆
【資本的支出】
▼配水池改修事業費=7700万円
高区配水池(城屋、PC造、3000m3、46年経過)の外面補修A750u、屋根補修A680u
▽配水管整備事業費=7億8146万2000円
[耐震性のある水道管への取り替え]6億8083万4000円、工事延長約4200m、施工箇所は大波下、北吸、上安、浜、愛宕他、口径はφ50〜400、[国道27号西舞鶴道路建設に伴い、支障となる大口径管路の移設]1億0062万8000円、工事延長約300m、施工箇所は国道27号上安、管種は水道用塗覆装鋼管(STPW)、口径はφ800、事業実施期間は令和3〜4年度
【債務負担行為】
▽西舞鶴道路関連送水管移設事業費=2億5200万円
限度額。期間は令和3〜4年度
西浄化センター水処理設備改築事業費
静渓ポンプ場整備事業費に各18億円の債務負担
◆下水道事業◆
【資本的支出】
▽管渠整備事業費=1億2620万円
公共下水道管路施設の改築(委託・工事)3000万円(富士通線の幹線管路の設計業務・更生工事)、公共下水道管路施設の更新(工事)9620万円(汚水中継ポンプ場(汚水ポンプ、制御盤)、汚水中継ポンプ場(監視・通報装置)、マンホール蓋等)
▽処理場整備事業費=6億6761万円(債務負担行為)
東浄化センターの汚泥処理設備改築1億6561万円(債務負担行為、令和2〜4年度)、同電気設備改築(監視制御)2億4200万円(債務負担行為、令和2〜4年度)、西浄化センターの1系水処理設備改築2億6000万円(債務負担行為、令和3〜5年度)
▽雨水処理事業費=10億1500万円
[西地区浸水対策事業]10億0500万円、大手ポンプ場整備(機械・電気)(債務負担行為、令和2〜4年度)、大手ポンプ場整備(建築)、静渓ポンプ場整備(土木・機械・電気)(債務負担行為、令和3〜5年度)、竹屋ポンプ場整備(機械)、松陰ポンプ場整備(土木)、設計業務等、[西地区浸水対策事業]1000万円、令和2年度に策定した雨水管理総合計画を踏まえ、浸水被害が多い区域の都市計画決定及び基本設計業務を実施
【債務負担行為】
▽西浄化センター水処理設備改築事業費=18億円
限度額。期間は令和3〜5年度
▽静渓ポンプ場整備事業費=18億円
限度額。期間は令和3〜5年度
▽浄化センター薬品調達経費=3600万円
限度額。期間は令和3〜4年度