香川県は2021〜25年度の5カ年を期間とする次期総合計画の骨子案をまとめた。県の進むべき基本的方向と、それを実現するための方策を示す県政運営の基本方針で、現行計画(新・せとうち田園都市創造計画)を引き継ぎながら、「安全と安心を築く香川」「新しい流れをつくる香川」「誰もが輝く香川」の三つを基本方針として掲げた。重点施策として、防災意識の向上や定住の支援、新県立体育館の整備とそれを活用したにぎわいづくり、四国の新幹線の実現などを新たに位置付ける。2月1日に有識者で構成する懇談会(会長・筧善行香川大学学長)の初会合を開いて骨子案を提示した。今後、具体的な施策の検討を進め、今秋に行政計画として確定する。
県では、現行計画に沿って進めてきた取り組みの状況を踏まえつつ、新型コロナウイルス感染症拡大防止と社会経済活動の維持・回復▽新しい生活様式での成長▽人口減少問題の克服・地域活力の向上▽県民の暮らしを守る環境づくり▽社会情勢の急激な変化への対応―を課題として整理した。
これらの課題に対応するため、三つの基本方針を提示。災害や感染症など、命や健康を脅かす危機が頻発する中で、危機への備えを万全なものとし、新型コロナウイルス感染症による県内経済への影響からの回復と、新たな人材・技術の積極的な活用による活力向上などに取り組む。
具体的な施策の方向としては、▽防災意識の向上▽新型コロナウイルスなど感染症対策の強化▽定住の支援▽若者に魅力ある働く場の創出▽創業や新事業展開の促進▽外国人材の受け入れ支援・共生推進▽新県立体育館を活用したにぎわいづくり▽デジタル技術を活用した地域課題の解決と産業の活性化▽四国の新幹線の実現▽新県立体育館の整備―などを新たな取り組みとして掲げた。
また、既存施策の拡充・強化などの見直しとして▽持続可能な介護サービス基盤の整備▽水の安定供給の確保▽中小企業の経営支援▽働き方改革の推進▽生産性を高める農業の基盤整備▽森林整備と森林資源循環利用の推進▽持続可能な循環型社会の形成―にも取り組む考え。
提供:建通新聞社