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建通新聞社(東京)
2021/02/19

【東京】都 南大沢のまちづくり方針で素案

 東京都都市整備局は2月18日、「南大沢駅周辺地区まちづくり方針策定等検討委員会」(委員長・岸井隆幸日本大学特任教授)で、南大沢駅周辺地区まちづくり方針の素案を示した。駅前の都有地と多摩ニュータウン開発センター所有地は、積極的に開発を誘導する「重点整備地区」に指定。三井アウトレットパーク多摩南大沢が立地する都有地の借地契約が2025年度に終了することを契機に、先端技術を活用したまちづくりなどを進めたい考え。まちづくりの基本方針と将来像を示し、各事業の具体化に向けた検討に入る。
 南大沢駅周辺では大学や商業施設、生活利便施設などの立地が進み、地区内外から多くの人が訪れる拠点となっている。周辺では都市計画道路の整備が着実に進んでいる他、リニア中央新幹線も計画されている。一方で、少子高齢化をはじめとしたニュータウン特有の課題が生じているとともに、大学・研究機関の集積を生かした先端技術の活用などを進める必要もある。
 素案では、南大沢駅周辺地区の将来像として@憩えるまちAスマートなまちB多様性のあるまち―の3点を提示した。
 この将来像を踏まえ、地区内に「ゆとりとにぎわい交流ゾーン」「文化・ゆとりとにぎわい複合ゾーン」「学術連携・協働ゾーン」「学術・研究・研修ソーン」の四つのゾーンを設定。立地に応じた土地利用を図るとともに、対象範囲内の住宅地やみどりの環境の保全を図る。
 駅前の「ゆとりとにぎわい交流ゾーン」については、都有地と多摩ニュータウン開発センター所有地を中心に、将来積極的に開発を誘導する「重点整備地区」として活用を進める。
 特に都有地には現在、広い地域から来客があるアウトレットモールが立地していることで駅周辺のにぎわいづくりに寄与していることから、借地契約期間の終了後も、引き続き街の拠点としてにぎわいを生む土地活用をしたい考え。まちづくり方針の策定後、新たな事業者公募に向けた準備を進め、23年中の事業者決定を目指す。
 5G環境を活用した研究・実証実験など先端技術を活用したまちづくりにも取り組む。周辺の民間事業者や都立大学、市民、行政などで構成する協議会が「南大沢スマートシティ実施計画」の策定作業を進めている段階で、21年3月までにまとめる予定。これに基づいて、先端技術の活用を検討する。

提供:建通新聞社