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建通新聞社(東京)
2021/02/18

【東京】都建設局 業務委託の総合評価に簡易確認型

 東京都建設局は、公共工事の品質確保に向けた2021年度の方針をまとめた。総合評価方式を適用する業務委託のうち、測量などの入札参加希望者が多い案件を対象に「簡易確認型」の運用を始める。工事発注では、総合評価方式で技術力をさらに評価に反映できるよう、技術的な課題がある案件で「技術力評価型」と「技術提案型」を積極的に採用する。人材の確保・育成については、これまで実施してきた週休2日制確保試行工事の対象を全ての土木工事に広げ、本格運用する。
 建設局では@総合評価方式などの活用A事業の平準化B担い手の育成・確保―の三つの観点から、品質確保を促すための21年度の取り組みを定めた。
 総合評価方式などの活用では、業務委託について、総合評価方式とプロポーザル方式を合わせて設計6割、測量3割、地質調査4割以上に適用する目標を定めている。20年度の適用率は、測量と地質調査はおおむね目標を達成したものの、設計が約41%で目標を大幅に下回っている。
 そこで、適用率を拡大するため、業務委託の事務手続きを簡素化する「簡易確認型」の運用を開始する。
 簡易確認型は、入札参加希望者の自己申請による「簡易技術資料」から算出した技術点と価格点で落札候補者を数者決定。その後、落札候補者のみに「詳細技術資料」の提出を求めて審査することで、事務負担の軽減を図る。

 =工事は技術力の評価に重点=

 工事の総合評価方式に関しては、20年度の適用率は約53%となる見込みで、19年度までと比較しても増加傾向にある。ただ、ほとんどの案件が過去の実績を評価する「施工能力審査型」と「技術実績評価型」だった。業界団体からは、より技術力を評価する「技術力評価型」や「技術提案型」の適用の拡大が求められている。
 21年度からは「技術力評価型」と「技術提案型」を積極的に活用したい考え。具体的な取り組み方針については、今後検討する。
 事業の平準化では、20年度と同様に、業務委託で▽3月履行期限の原則廃止▽1月履行期限の割合を最低でも20%確保▽履行期限4〜12月の割合を45%以上―とする取り組みを継続。
 工事発注では事業計画段階から債務負担行為の活用も考慮して発注の平準化に努め、予算要求に反映する取り組みも継続する。
 担い手の育成・確保に向けては、完全週休2日制の実現を目指して週休2日制確保工事を本格運用する。当初契約時に必要経費を計上するとともに、4週8休以上の現場閉所を実施した場合に工事成績評定の加点対象とする。また、女性活躍モデル工事と快適トイレの設置、魅力発信モデル工事も引き続き実施する。

提供:建通新聞社