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北陸工業新聞社
2021/02/17

【富山】富山生コン協組/FA、BBコンクリと同価格に/普及拡大へ阻害要因を解消/将来世代に良質な建設基礎資材供給

 富山生コンクリート協同組合(富山市黒崎66番地、酒井正人理事長)は、フライアッシュ(FA)コンクリートの価格について、高炉セメント(BB)使用コンクリートと同価格に統一化することを決定した。
 10日開催の理事会で決めたもの。4月以降に適用される新価格表へ盛り込む予定だが、現時点でも相談に応じる。
 FAコンクリートは、普通コンクリートと比べ流動性が良く、水和発熱量の低減による温度応力ひび割れ防止にも有効であり、アルカリ骨材反応(ASR)が抑制される効果があるとされている。これを受け、富山県では過去10ヵ年にわたり、「フライアッシュコンクリート試行工事」として、その施工性・有効性の確認を行い、一定の成果を上げているが、BB使用コンクリートよりも価格が割高であり、普及の妨げになることが懸念されていた。
 このため、同協組では、FAコンクリートの普及拡大へ大きな阻害要因となっている価格差を解消し、「高炉セメント(BB)使用アップ」と同値統一化を図ることで、地区内におけるFAコンクリートの普及を拡大したい考えだ。
 県都富山市を中心とする富山地区は、主要幹線道路といった重要構造物が比較的海に近く、日本海からの飛来塩分や冬季の凍結防止剤の散布などによるASR劣化要因も多い。さらに、生コンに使用される地区の河川産骨材についても、立山カルデラによる安山岩にASR反応性の高い鉱物が多く含まれ、地元・北陸産のFAをコンクリートに利用することが合理的であるとされている。産学官からなる「北陸地方におけるコンクリートへのフライアッシュの有効利用促進検討委員会」の委員でもある富山県立大学の伊藤始教授もその利用を推奨している。
 12社9工場で構成する富山生コン協組では、「将来世代が利用し続ける社会資本整備には、建設基礎資材である良質なコンクリートの提供が欠かせない」とし、FAコンクリートの安定供給に鋭意取り組むことにしている。問い合わせは、同協組(電話076―494―8668)まで。