神奈川県内広域水道企業団は、相模原浄水場の増強に向けた基本設計に着手する。10年後、20年後に必要な施設能力を得るための整備範囲・方法を探るもので、県内水道施設の再構築の一端を担う業務。条件付き一般競争入札による委託手続きを2月16日付で開始し、24日まで競争参加資格確認申請を受け付けている。開札予定日は3月10日。2022年3月25日までを履行期間としている。
同浄水場(相模原市南区下溝2714)は、酒匂川と相模川から取水された水を浄水し、神奈川県営水道と横浜市営水道に供給する施設。1974年4月に給水を開始した。着水井(分水池)、沈でん池12池、急速ろ過池32池、浄水池などで構成する施設の能力は1日当たり52万7600立方b。
〇県内水道施設 再構築へ
今回の増強は、県内の5水道事業者(企業団、県、横浜市、川崎市、横須賀市)の水道施設再構築の一環として位置付けられるもの。相模原を含めた企業団4浄水場の施設能力向上が将来的に計画されている。
委託手続きを開始した基本設計では、今後必要となる1日当たり施設能力56万5800立方b(おおむね10年後まで)、60万4000立方b(おおむね20年後まで)をそれぞれ確保するための改造・増強の範囲や方法を探っていく。
具体的には、凝集沈でん池、急速ろ過池、浄水渠(急速ろ過池〜塩素混和池)、薬品注入設備を基本とし、土木・電気・機械設備などを網羅して検討。池の増設や、ろ過方式の変更なども視野に入れる。
なお、企業団の21年度当初予算には、相模原浄水場増強基本設計と、綾瀬浄水場増強基礎調査が「浄水場増強と送水管路等整備」(予算額1億1752万円)の新規事業として盛られた。
提供:建通新聞社