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北陸工業新聞社
2021/02/16

【富山】鳥インフルの埋却に協力/府録組ら建協小矢部支部/「地元チームで柔軟な対応」

 小矢部市の養鶏場で1月に発生した高病原性鳥インフルエンザ感染に伴う防疫措置に、府録組(小矢部市津沢)など富山県建設業協会小矢部支部の会員も埋却作業など重要な役割を担った。
 養鶏場では、1月22日に通常より多い鶏が死んでいるのが確認され、その後23日、鳥インフルエンザの感染が判明。約13万羽の殺処分や埋却、鶏舎の消毒などの防疫措置が28日まで行われた。養鶏場としては県内で初めの感染。防疫措置には、富山県や小矢部市、JAいなば、陸上自衛隊などが動員された。
 県と県建設業協会は、「口蹄疫等家畜伝染病の発生における緊急防疫措置に関する協定」を締結しており、県の業者推薦の要請を受け、県建設業協会小矢部支部で登録がある16社から、養鶏場の地元である下川崎地区の総括だった府録組に白羽の矢が立った。県と府録組で協議の上、23日に委託契約を締結。石畠工業、芝井工業、勢田建設、勢田土石が協力会社として加わり、7人の経験豊かなオペレーターが、養鶏場の敷地内で殺処分した鶏を埋めるため、重機を使い雪交じりの土を掘り起こした。照明車は、北陸地方整備局富山河川事務所が提供して作業が進められた。
 作業面積は約2200平方メートル。埋める溝は、幅4メートル(上幅6・2メートル)×深さ4メートルで、長さ95メートル、65メートル、25メートルの3本。
 府録組の府録弘之社長は、一連の防疫措置の進行が工事によって滞ることがないよう細心の注意を払ったと振り返る。作業は県の防疫担当の職員の指導の下に行われた。各社の負担が偏らないよう、1社が1〜2人のオペレーターを出し、作業時間を1日10時間以内と定め、オペレーターのパフォーマンスを落とさない配慮がなされた。「土工事は天候、掘りやすい土質と湧水がなかったことなど条件に恵まれた」と語る一方、「サイロの飼料や鶏舎内の鶏糞、出荷予定だった卵、防護服など計画を超える量が出て、限られた敷地内での埋め立てに苦労した」とする。
 経験したことがない作業について、「鶏舎の経営者と私や協力会社のスタッフは、同郷の知人でもあり、地元の『津沢魂』でやり遂げた。搬出量が計画を上回ったが、チームとして柔軟に対応でき、県職員の現場隊長からは『ドリームチーム』と呼ばれた」と達成感を口にする。

hokuriku