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建通新聞社(東京)
2021/02/16

【東京】都 新たな長期戦略案を公表

 東京都は、都政の方向性を示す長期計画「『未来の東京』戦略」案を公表した。持続可能性と経済・金融の発展を両立させた世界的なモデル都市を目指す「東京ベイeSGプロジェクト」を臨海部で新たに計画。無電柱化をはじめとした防災・減災への取り組みも加速する。この他2040年代に東京が目指す姿と、それを実現するための戦略を盛り込んだ。それぞれの施策について、23年度までの3カ年のアクションプランを定め、具体的な取り組みや枠組みなどを詰めていく。
 長期戦略案は、19年12月に策定した「『未来の東京』戦略ビジョン」で掲げた20戦略に、新型コロナウイルス感染症を契機として生まれた課題への対策を加えた「20+1」戦略を定めたもの。戦略を実行に移すための計122のプロジェクトに取り組む。
 ハード面での主な戦略は、「都市の機能をさらに高める戦略」や「安心・安全なまちづくり戦略」「水と緑溢(あふ)れる東京戦略」「スマート東京・TOKYO Data Highway戦略」など。
 「都市の機能をさらに高める戦略」には、新たに「東京ベイeSGプロジェクト」を盛り込んだ。本来の「ESG」(環境・社会・ガバナンス)の概念に加え、経済(エコノミー)と画期的(エポックメイキング)といった視点を追加。臨海部に環境関連企業の集積を進めるとともに、大規模な規制緩和を実施することでドローンや空飛ぶ車、自動運転をはじめとした最先端技術の実装エリアとしたい考え。21年度から実施に向けたスキームの検討に入る。
 この他、人中心の歩きやすいまちづくりの実現や民間活力を生かした都立公園の整備、インフラの予防保全型管理などを引き続き進めることなども盛り込んだ。
 「安心・安全なまちづくり戦略」では、首都直下型地震や頻発する台風・豪雨に備えるため、人工知能(AI)などのデジタル技術を導入しながらハード・ソフト両面の対策をバージョンアップする。
 具体的なプロジェクトとしては、水害への対策として、河川の護岸や調節池、下水道の貯留施設、海岸保全施設の整備を含めた取り組みを推進するとともに、AIによる水位変動予測などを用いた水門の開閉操作支援などを推進。災害発生時にドローンを使った遠隔点検も導入できるよう、21年度に試験運転を始める。
 無電柱化事業では、都道と臨港道路の年間整備量を倍増してスピードアップを図る。木造住宅密集地域の不燃化、特定整備路線の整備、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化なども並行して取り組んでいく。

提供:建通新聞社