智頭町大呂の地すべり応急対策で県土整備部は2021年度、斜面崩壊に備えて県道う回路を整備するほか、既設仮排水管を増強する。新年度当初予算案に対策費6950万円を盛り込む。
地すべりに兆候がある大呂山は昨年3月、斜面下腹のブロック塊から土砂8000立方bが崩落。次いで4月の大雨を受けて崩壊土砂の一部1000立方bが下方の北股川に流入した。
その後、同部は「災害関連緊急地すべり防止事業」を取り入れて、昨年12月からカゴ枠102bを斜面下に整備する土留め工に着手している。
同部は「地すべりの規模が大きく、対策は長期間に及ぶことが想定される」(治山砂防課)と説明。当面の対策として虫井神社近くの土地を借り上げて津山智頭八東線をショートカット。延長190bのう回路を確保する。
併せて北股川右岸に設置してある仮排水管81b(直径1b×2)の飲み口を土砂がふさがないよう、上流側に100b増設する。
当初予算案には、これらの応急対策に5800万円、また、地すべり観測の継続に950万円を計上する。
一昨年11月に設置された地すべり対策検討会は、これまでに斜面ブロックの集水井工などで地下水位の抑制を強化することを決めており、現在は不安定土塊の解析検討を進めている。
日刊建設工業新聞