徳島県病院局は2021年度に「県立中央病院ER棟」の整備推進事業に着手する。当初予算案に22年度の限度額29億4800万円の債務負担行為を設定した上で20億9700万円の事業費を盛り込んだ。埋蔵文化財調査などが順調なら今秋の着工、22年中の建物完成を目指していく。
同事業では、徳島市蔵本町1丁目地内にある中央病院の本館南側敷地に救急外来棟を新築する。総合メディカルゾーン本部の救急医療機能を強化するとともに、新型コロナウイルス感染症終息後も起こりうる新たな感染症にも対応できる施設として機能向上を図るのが狙い。@救命救急機能として、陰圧設備を備えた感染症外来の設置による感染症対応の充実や内視鏡センター整備による救急患者等に対する診断・治療の充実A災害対応機能として、発災時は災害対策本部、DMAT活動拠点本部として実行性の高い機能を充実B地域医療支援機能として、遠隔医療実施(県立3病院間を5G網で接続)による地域医療の充実と徳島医療コンソーシアム連携病院への展開による地域医療支援の充実C人材育成機能として、5Gオンライン診察室を利用した研修機能の充実―を図る計画だ。
規模は鉄筋コンクリート造5階建て延べ約6500平方b。設計は日総建大阪事務所(大阪市中央区)と宮建築設計(徳島市)の共同企業体が担当し8月末には完了の運び。21年秋の着工を目指し入札・契約手続きを行い、22年中の建物完成を目指していく。
また、北側に隣接する本館棟に連絡する渡り廊下の整備や付随する本館棟の改修なども見込んでおり、こちらは関連事業で23〜24年度にかけて整備を図る。計画では、ICU(集中治療室)・HCU(高度治療室)、外来化学療法室を拡充する他、スキルスラボを設置するなどし、高度な医療提供体制の構築や専門性の高い人材育成を図ることにしている。
提供:建通新聞社