日本工業経済新聞社(群馬)
2021/02/10
【群馬】沼田など定住自立圏ビジョン策定へ
沼田市は、近隣の片品村、川場村、昭和村、みなかみ町と連携し地域活性化を図るため、定住自立圏構想を推進する。2020年末に4者と協定を結んでおり、これまでに進めてきた懇談会や調整などから、年度末までには定住自立圏共生ビジョンをまとめる。協定内容は自治体ごとに異なる部分もあるが、施設の広域利用などが中心。ごみ処理施設や火葬場については集約化を図る旨がうたわれ、将来的に施設整備などにつながることも考えられる。
定住自立圏構想は、大幅な人口減少と急速な少子化・高齢化が見込まれる中、地方圏において安心して暮らせる地域を各地に形成することで地方圏への人の流れを創出するもの。市町村の枠を超えた広域的な取り組みや行政と民間の連携・役割分担を通じて、それぞれの強みを活かし、弱みを補完しあいながら地域全体の活性化を図る。
事業実施までのプロセスとして、圏域としての必要な生活機能の確保に向けて中心的な役割を果たす意思を20年3月23日に、沼田市が宣言(中心市宣言)をした。その後、年末までに連携・協力する取り組みについて内容・役割分担を調整してきた。
協定書締結段階のため個別具体の事業内容は今後となるが、ごみ処理施設などの広域利用、火葬場の広域利用については施設の集約化を図るとしている。
ごみ処理施設は圏域内の廃棄物を安定的で効率的に処理するため、16年度末に制定された県一般廃棄物処理広域化マスタープランに基づいて行う位置付け。同プランには既存施設(15年度)として焼却施設など4、粗大・資源化施設2、最終処分場2、し尿処理施設2で10施設。将来施設整備計画数として、26年度時点は最終処分場が1減。41年度には焼却施設など2、粗大・資源化施設1、最終処分場1、し尿処理施設1で5施設としている。
火葬場については、圏域内に利根沼田広域市町村圏振興整備組合のぬまた聖苑のほか、みなかみ町に水上火葬場、新治火葬場がある。個別に運営している火葬場をぬまた聖苑に一元化し、施設の集約を図るとした。
このほか◇地域医療の連携強化◇障がい者福祉の推進◇教育環境の整備・充実◇文化財保存・活用の推進◇広域観光体制の充実◇移住・定住の促進◇圏域内自治体職員の交流・合同研修−などもある。