2月補正と合わせ1兆1154億円余
5か年加速化対策の活用分487億円
長野県は2月5日の部局長会議で2021(令和3)年度・2020(令和2)年度2月補正予算案を決定した。2月18日開会3月18日閉会予定の県議会2月定例会にかける。
21年度当初予算は1兆0423億3067.5万円(20年度比946億4406.8万円増、10.0%増)で2月補正予算(第13号)は731億4867.4万円。当初予算と2月補正を加えた予算規模は1兆1154億7934.9万円。うち新型コロナウイルス感染症対応分が1776億2154.6万円、国の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策(2021〜25年度)」活用分が487億4380.4万円となっている。予算は、国の予算を最大限活用し「新年度予算を2月補正予算と一体的に編成した」としている。
補正予算は気候変動に伴い激甚化・頻発化する災害や社会インフラの老朽化等から県民の生命と財産を守るため「流域治水対策や道路・河川等の老朽化対策を集中的に実施していく」ため、国の補正予算を最大限活用し必要となる補正予算を編成したと財政課は説明した。
新年度予算はコロナ対策を推進することに全力を尽くしたうえで、都市部における地方回帰の流れやデジタル社会の動きなどを好機と捉え、あらゆる場面をデジタル化する長野県DX戦略を具体化し、将来に向けた投資にも積極的に取り組んでいく。
21年度当初予算案の歳出構造は、2019(令和元)年東日本台風災害からの復旧・復興が進捗し、国の5か年加速化対策活用分を2月補正予算に計上したことから投資的経費が減少した一方、引き続き、新型コロナウイルス感染症に対応するため経費が大幅に増加したことなどから、2020(令和2)年度当初予算と比べ946億円の増となっている。
社会資本整備(投資的経費)の状況をみると、新年度当初予算は、道路や河川、砂防、都市計画、治山、造林、農業基盤などの公共事業は補助・県単独・直轄・災害復旧を含めた公共事業が1324億円(445億減、25.2%減)、福祉施設や病院、県立学校、警察署、公共施設耐震対策、交通安全施設棟の施設整備等が297億円。ここに国加速化対策分を活用した2月補正予算487億円を加えると、2108億円(204億円減、8.8%減)となる。県財政課では「災害からの復旧、防災・減災対策を強力に推進するとともに、リニア関連道路など幹線道路網の整備、農林業の生産基盤強化、中長期修繕・改修計画に基づく老朽施設の長寿命化対策などを着実に進める」と説明している。
公共事業の状況をみると、補助公共事業費は当初が785億円で2月補正438億円、県単公共事業費は当初が176億円、直轄事業負担金は当初が167億円で補正が90億円、災害復旧事業費は当初が195億円。合計すると、当初が1324億円で補正が529億円という内訳。
提供:新建新聞社