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日本工業経済新聞社(群馬)
2021/02/08

【群馬】2021年度当初予算案示す

山本一太知事は8日、2021年度当初予算案を明らかにした。重点施策の一つに「ニューノーマルの早期実現」を掲げ、防災減災対策に約297億円を計上。うち、水害や土砂災害、道路防災、農地防災などに合わせて287億9300万円を投入してハード対策を推進する。建設関連の主要事業としては、企業会計で25年度までの債務負担行為を含め事業費59億9500万円で前橋市内にある関根発電所のリニューアルを計画。21年度に許認可申請などを進めるとともに、設計・施工一括型のプロポーザル方式を含めて発注方法を検討する。また、浅間家畜育成牧場の改良事業で2月補正予算含め6億1740万円を充て、草地改良や牛舎建設を推進。新規事業には、伊勢崎特別支援学校の教室不足対策として用地測量など431万3000円を充てる。このほか、産業団地整備に向けてD地区(東毛)の事業着手に向けて用地買収を中心とした事業費6億6500万円を計上した。
山本知事は当初予算案について「新型コロナ封じ込め加速予算」と「新たな未来構築予算」の2つを掲げ「21年は新群馬県総合計画・ビジョンのスタートの年に当たる。財政が大変厳しい状況だが、新たな富を生み出す取り組みにも力を入れる」と話した。
21年度一般会計総額は7650億7700万円。うち投資的経費は883億4148万円で前年度比90億7849万円減、9・3%の減少となった。新型コロナウイルス感染症の影響による財政状況を受けて公共事業費を抑制したが、防災・減災対策に関しては重点的に予算を確保している。
防災減災対策のうち、県土整備部関連の事業費は218億1735万3000円。緊急水害アクション(3か年緊急レジリエンス戦略)の7億8200万円で、鏑川(富岡市)や八瀬川(太田市)などの対策を行う。重点水害アクション(5か年重点レジリエンス戦略)は10億1935万5000円。利根川(伊勢崎市・玉村町)、休泊川(大泉町)の河川整備などを実施。
中長期レジリエンス戦略には最大の197億4643万6000円を計上。碓氷川(高崎市・安中市)や男井戸川(伊勢崎市)の河川整備や土砂災害対策、上信自動車道、西毛広域幹線道路などの道路ネットワーク構築や国道354号などの無電柱化を推進する。
災害関連予算としては環境森林部66億200万円、農政部11億439万円を配分している。
関根発電所のリニューアルは当初予算分に1650万円を計上し、22〜25年度の債務負担行為で59億7850万円の限度額。固定価格買取制度(FIT)の適用など許認可の申請を上半期に行い、順調に進めば下半期の発注を見込む。リニューアルは発電機器など設備更新がメインとなり、水路部分などの改修は予定していない。21〜22年度に実施設計、23〜24年度は機器製作、既設機器撤去、25年度の機器据え付けおよび試験を経て26年度に運用開始というスケジュール。
新規産業団地整備を目指すD地区(東毛)は、分譲予定面積13・5haを予定。21年度は用地買収を中心に行い、23年度末の完成を目指して準備を進める。
浅間家畜育成牧場は、草地改良と大型牛舎などの建設を計画、20年度に工事着手している。当初予算5億5740万円、2月補正予算6000万円の計6億1740万円で事業を推進する。21年度はS造平屋、床面積約3000uの大型牛舎と約450uの導入牛舎整備を予定。草地改良は約24haを見込み、2月補正予算を充てる。
伊勢崎特別支援学校の教室不足対策は、21年度に本格的な検討に着手。測量のほか基本的な整備方針の協議を予定する。
このほかの建設関連主要事業は次のとおり。
【県有施設等長寿命化推進】
知事部局等15億円、県立学校16億4000万円、警察施設3億6000万円で長期保全計画に基づいた長寿命化工事を推進する。
 【災害対策本部実施室整備】
県庁7階西側にある審議会室と正庁の間合わせて505uを改修して実施室へ転換。工事費1億2490万円を計上した。9月ごろの運用開始を目指している。
【安中総合射撃場整備】
安中市内にある県クレー射撃場で、クレー射撃施設の法令基準の適合対策の検討調査委託に2860万円、ライフル射撃施設などの外構工事へ4813万7000円を計上。
【多様な移動手段の確保】
自動車交通網の整備に84億5823万1000円を充てた。主な路線としては県道苗ヶ島飯土井線(波志江飯土井工区)や県道昭和インター線(森下工区)の道路ネットワーク構築や県道桐生伊勢崎線(阿左美大原工区)、県道前橋長瀞線(綿貫工区・高崎工区)などのまちのまとまりをつなぐ道路整備、国道407号(熊野交差点)や県道古戸館林線(古戸交差点)などを挙げている。
歩行者・自転車の安全な移動空間整備には26億591万2000円。県道前橋箕郷線(足門町工区)や県道新田上江田尾島線(新田木崎町工区)を整備路線としている。
【災害レジリエンス(環境森林部)】
災害対策としての防災減災対策を実施。補助公共は治山事業31億8400万円、農山漁村地域整備(治山)14億9100万円、林道事業1億1100万円。単独治山は18億1600万円となる。
【災害レジリエンス(農政部)】
ため池の補強など防災減災対策を予定。補助公共事業としては◇農村地域防災減災=7億9904万円◇農村集落基盤再編・整備=1億8800万円◇農業水路等長寿命化・防災減災=4145万円−。このほか、単独農村整備事業ため池緊急防災減災等へ7590万円を計上。
【交通安全施設整備】
13億6335万5000円で、信号機の新設や信号制御機・柱の更新などを実施する。
【水素エネルギー活用調査研究】
水素製造・貯蔵・利用システムの実証実験などの調査を委託。事業費は3300万円。