三重県尾鷲建設事務所は2月2日、「遠隔臨場システムを利用した現場確認について」の研修会を開いた。県のウエブ会議システムを使用して、県内各建設事務所の工事担当者らも参加し行われた。
工事現場での「段階確認」や「材料確認」、「立会」や「検査」の実施に当たり、ウエアラブルカメラなどによる映像や音声の双方向通信を活用した「遠隔臨場」は、受発注者の作業効率の向上をはじめ新型コロナウイルス感染症対策などとしても期待されており、県県土整備部はその適用の促進に向けて研修を行った。
研修会では、尾鷲建設事務所が発注した「赤羽川堆積土砂撤去工事その1」を対象に、同事務所と受注者である平野組(紀北町)の事務所、そして工事現場の3カ所をウエブでつなぎ、「段階確認」などの遠隔臨場をリモート形式で実践した。工事現場は建設事務所から車で往復約1時間の距離にあるため、専任監督官の移動時間の短縮などの効果が確認された。県は今後、課題や問題点などを抽出しつつ、遠隔臨場の導入を促進させる方針だ。
今回の現場は、発注者指定型ICT土工の適用による施工で、延長は367b、土砂撤去量は7372立方bの規模。ドローンで撮影した3次元出来形管理データに基づき、土砂撤去後の河床の幅や高さ、延長などが規格通りの施工になっているかどうかを遠隔臨場により確認した。県の担当者が指定した確認箇所は、ネットを通じて平野組の現場担当者に正確な位置情報として伝えられた。
研修会で用いられた遠隔臨場のシステムは、福井コンピュータ(福井県坂井市)が開発した「CIMPHONY Plus」(シムフォニープラス)。「電子小黒板や3次元データなどを『時間軸』と『位置情報』で管理・運用できるデータ共有クラウドサービス」とされている。
提供:
建通新聞社