建通新聞社(東京)
2021/02/05
【東京】都教育庁 多摩地域に英語村 民設民営で
東京都教育庁は、多摩地域に体験型英語学習施設を民設・民営で新設する。既存施設の一部を改修して200人程度を収容可能な施設とする計画。3月に対象の施設を決定・公表した上で、4月に事業者の公募要項を公表。その後、8月に提案書を受け付け、9月に事業予定者を決める。2022年度中の開設を目指す。事業者には施設改修費と賃料を補助する。
都は18年9月、江東区青海に民間事業者と共同で「東京都英語村TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」を開設した。同施設では、イングリッシュ・スピーカーとのコミュニケーションやグループワークを通じて、海外にいるような環境で英語に親しむことができる。19年度までに約13万人の児童・生徒が利用した。
一方、多摩地域の学校からは移動に時間がかかり、利用率が低い傾向にある。多摩地域にも同様の施設の整備を求める声が市町村教育委員会や小・中学校から寄せられていたという。
教育庁は2月4日、体験型英語学習施設の整備に向けた整備方針を公表した。開設時期は22年度中に設定。事業期間は5年以上10年以下とし、具体的な期間は事業者が提案する。
施設の整備に当たっては、既存建物を活用する方針。多摩地域のより多くの児童・生徒が1時間以内でアクセス可能で、鉄道主要駅・公共交通機関での来場が容易な場所にあることなどを条件に、都教育委員会が開催する「施設選定委員会」(仮称)で決める。
施設での学習内容は、対面でのコミュニケーションを主軸としつつ、ICTを活用した英語教育を実践する場として、最先端の環境づくりを目指す。
VR(仮想現実)を用いて実際に海外旅行をしているような疑似体験ができる機能や、プロジェクション・マッピングなどの空間演出を想定。施設機能に付加価値を加えるだけでなく、運営の効率化や、感染症の影響などで直接コミュニケーションができない場合の役割なども含めた活用方策の提案を求める。
選定した事業者に対しては、施設改修経費の10分の9(上限3億5000万円)を補助する。また。事業期間中の施設賃料は敷金などを除いて都が全額負担する。
提供:建通新聞社