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建通新聞社(神奈川)
2021/02/03

【神奈川】「週休2日」の加点企業4割 県の総合評価工事

 神奈川県県土整備局は、総合評価方式を導入した建設工事の一般競争入札について、2020年度(12月31日時点で開札済みの集計)の実施状況をまとめた。新たに選択項目として設定した「週休2日制確保モデル工事の履行実績」は、入札参加企業の約4割が加点措置を受けた。また、最低入札金額以外の参加者が落札した「逆転落札」は全体の55%だった。2月1日開催の総合評価審査委員会(委員長・勝地弘横浜国立大学教授)で明らかにした。
 総合評価方式で開札済みの工事は20件。設計金額別の件数は、3000万円以上1億円未満が6件、1億円以上6億円未満が14件で、いずれも特別簡易型だった。
 評価項目のうち、企業の技術的能力の必須項目を見ると、「過去の同種工事の施工実績」で76・9%、「過去3年間の工事成績評定点の平均点」で80・8%の企業が加点を受けている。工事成績評定点は80点以上(2点加点)が47・1%、75点以上80点未満(1点加点)が33・7%だった。「優良工事等表彰等の受賞実績」で加点を受けた企業は全体の71・2%。
 選択項目では「地域精通度」が57・9%で19年度の72・7%から減少。「ISO9001の認証取得」も、加点企業が占める割合が19年度(78%)に比べて下がり、60・4%となった。
 20年4月に試行を開始した「週休2日制確保モデル工事の履行実績」による加点企業は42・3%にとどまった。県土整備局は、働き方改革の推進、週休2日の定着を目指し、今後も動向を見ながら検証を続けるとしている。

 配置予定技術者の技術的能力に関する評価項目(必須項目)については、「過去の同種工事の施工実績」で52・9%、「過去3年間の工事成績評定実績」で47・1%の企業が加点を受けている。
 選択項目では、「取得資格」で87・1%、「CPD実績」で32・7%、「若手技術者・担い手の育成実績」で10・1%が加点を受けた。
 また、企業の社会性・信頼性への評価で加点を受けた企業の割合は、「災害時等の地域貢献」81%、「建設業労働災害防止協会への加入」95・8%。社会貢献に対する意識が高い企業が多く入札に参加していることがうかがえる。「新卒者(技術職)の雇用実績」は33・3%にとどまっているものの、担い手確保に積極的な企業が評価されるよう、同局は今後も継続していく方針だ。

提供:建通新聞社