日本工業経済新聞社(群馬)
2021/02/02
【群馬】渋川広域の最終処分場場所検討始まる
吉岡町は渋川地区広域市町村圏組合による次期最終処分場整備に向けた、候補地検討に乗り出した。すでに、選定委員会を発足させ検討に着手、3月に予定している第2回委員会で立地基準を参考としたエリアを提示したい考え。組合側は2029年には埋め立て期間終了となるエコ小野上処分場と同程度の規模を想定しており、設置場所にも左右されるが敷地面積は2万2000u程度は必要とみられる。スケジュール案として候補地は21年度中に選定する方針。
吉岡町のほか、渋川市、榛東村の3自治体で構成する同組合のごみ処理は、渋川地区広域圏清掃センター(渋川市行幸田3153−2)で焼却処理を行い、エコ小野上処分場(渋川市小野子3665)で埋め立て処理を行っている。08年に構成自治体で最終処分場建設候補地選定に関する協定を締結し、次期候補地の選定は吉岡町が担当となっている。
エコ小野上処分場は12〜14年度に、広域組合では3カ所目となる最終処分場として建設された。総面積2万2080uに、埋立面積6730u、埋立容量7万立方mで、屋根や壁を備えたクローズド型施設。埋立構造は準好気性埋立、サンドイッチ方式による埋立。浸出水は、カルシウム処理+生物処理+凝集膜分離+活性炭吸着+脱塩処理+消毒により処理。1日当たり20立方mの能力となっている。処理後は、施設内の散水に循環再利用している。15年度に稼働し、29年度に埋め立て計画期間が終了する。
次期最終処分場は、29年度を見据えて整備を進める必要がある。
29年度末までの供用開始をリミットに想定したスケジュール感でいくと、建設用地については21年度末までに候補地選定から決定へ進む流れで、21年度からは地元説明や合意形成などに取り組む。順調なら23年度から2カ年で用地買収を実施する。
設計などの業務は、23年度の用地買収と併行して測量・地質調査、環境アセスに着手。おおむね24年度から基本設計、25年度の実施設計と進み、26年度は工事発注準備に入る。26年度中盤から周辺整備を含めて工事期間として供用開始につなげる。
選定委員会は、年度末ごろに第2回委員会を開催する運び。21年度に入ると4回程度の委員会を予定し、候補地となりうるエリアの比較評価、視察、候補地地元意見の集約などを行い、同年度中に選定する想定。
候補地の選定に当たっての立地基準の参考として◇他の最終処分場の敷地境界から1q以上の距離◇水道水源施設の敷地境界から500m以上◇住宅密集地などから100m以上−などの条件を持っている。