彦根市は、20年度(令和2年度)末に終期となる「彦根市公営住宅長寿命化計画」の21年度(令和3年度)から10年間の改定次期計画の策定に取り組んでいる。順調にいけば次計画にのっとり21年度(令和3年度)には、中藪団地の改善や稲枝西(旧)団地の除却について工事発注が行われるほか、計画期間後半には、さらに次期計画期間に着手する想定の開出今団地の建替えに向けた民間資本(PFI事業等)導入検討と基本計画の策定が行われる。
令和2年4月1日時点における公営住宅の管理戸数は、市営住宅が24団地578戸、改良住宅が3団地112戸の計159棟690戸。戸数10戸未満の小規模団地は4団地(広野第2・田中・里根[新]・馬場)で、100戸を超える大規模団地は1団地(開出今156戸)のみ。計画ではこれらストックに建替(検討)1団地、用途廃止3団地、改善(個別改善)5団地、長寿命化型維持管理12団地、修繕対応型維持管理6団地―の活用方針を盛り込み、30年度(令和12年度)末の管理戸数631戸を目指す。
建替(検討)では、開出今町1832の「開出今団地」(昭和41〜46整備、簡易型平屋建86戸および簡易型2階建56戸)について、次期計画期間中に退去・住み替え進捗に合わせた住棟単位の除却で事業用地を確保すると共に、多面的な敷地活用や必要な施設など地域まちづくり構想を進め、実現可能な手法についてPFI等を含め検討調査を行い、基本計画の策定までを目指す。さらに次期の31年度(令和13年度)からの計画期間内の建て替え着工となる見通し。
改善事業(個別改善)は、10年間で約7億円の事業費を見込み、「広野第1」「中島」「中藪」「堀」「岡町」―の5団地にて耐火造58戸・簡易型2階建70戸計128戸の改善工事を進める。21年度(令和3年度)は今年度設計を実施した中藪団地の6戸の改善工事の発注・着工となる見通し。
用途廃止は「正法寺」「稲枝西(旧)」「甲田」の3団地が対象。稲枝西(旧)団地は今年度除却中の10戸に引き続き、21年度(令和3年度)も8戸の除却工事を発注・施工。22年度(令和4年度)は甲田団地の7戸除却を見込んでいる。
提供:滋賀産業新聞