石川県の2021(令和3)年度当初予算案に係る知事裁定が1日、健康福祉、商工労働両部からスタートした。
新年度当初予算の編成方針について、谷本正憲知事は記者団を前に「令和3年度の予算は税収が前年度を割り込む。リーマンショック以来11年ぶりで財政状態が厳しい中での予算編成となるが、従来を超えて様々な創意工夫を凝らしていかねばならない」と強調。そういう中でも「県民の安全安心の確保を第一とし、柱の一つはコロナウイルス対策」と述べ、「改めて検査体制を高いレベルでの維持確保が大事で、医療提供体制も病床、宿泊療養型の施設を含め約600床確保できているが、1月の感染拡大の際には医療機関に更なる病床の追加などをお願いしており、これらも当初予算で何らかの方向付けを行いたい」と語った。
防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策にも触れ、谷本知事は「自然災害に対する備えも大変大事。最近、全国各地で自然災害が相次いで発生し、そんな意味では河川改修とか、土砂災害の防止、堆積土砂の除去についてもしっかり予算の上で反映させ、取り組むことが大事」との考えを示した。
知事裁定は県庁庁議室で行われ、北野喜樹健康福祉部長は県内の新型コロナ感染状況などを説明した上で、「ワクチンの円滑な接種、検査・医療体制を引き続き確保するための予算」を求め、南井浩昌商工労働部長は社会経済活動の正常化を図るため、「事業継続に向けたセーフティネットを確保しつつ、コロナ禍に立ち向かう企業の回復・成長を強力に後押ししていくために必要な予算確保」を要求した。
なお、当初予算案は16日に開かれる県議会予算委員会協議会で内示後、24日開会の県議会定例会に提出される。