横浜市が2021年度当初予算案に盛り込んだ施設等整備費の総額は前年度比6・2%増の4303億円となった。市道路建設事業団の債務整理に伴う資産買い取り経費270億円の計上が増加要因で、その分を除いた実質額は0・5%減の4033億円とほぼ前年度と同水準だ。主な建設関連事業のうち建築分野では、学校建て替えで17年度着手3校の本体工事や20年度着手6校の設計をスタートさせる他、新規着手校を6校を選んで基本構想の検討に乗り出す。新たな劇場整備は事業化を見送って管理運営の調査・検討などを行う一方、市立大学付属2病院の再整備で集約施設の建設を見据えて基本計画の検討を始める。土木分野では鶴見川人道橋や高島水際線デッキ、臨港パーク未整備エリアの工事に着手するとともに、国による本牧〜山下地区臨港道路の調査・設計で直轄事業負担金を確保。旧上瀬谷通信施設の基盤整備に向けて区画整理の実施設計や新交通システムの詳細設計などを進め、22年度以降の工事に備える。
施設等整備費の会計別内訳は▽一般会計=2268億円(12・5%増)▽特別会計=642億円(14・2%増)▽公営企業会計=1392億円(5・6%減)―で、市道路建設事業団の資産買い取り経費を計上する一般会計、新本牧ふ頭の整備費などを計上する特別会計が2桁の伸び。ただ一般会計の施設等整備費は、市道路建設事業団の資産買い取り経費を除けば1998億円(0・9%減)と2000億円をわずかに割り込む。
また、施設等整備費を含む予算の全体規模は▽一般会計=2兆0072億円(15・4%増)▽特別会計=1兆3013億円(2・5%増)▽公営企業会計=5934億円(0・5%減)―の合計3兆9019億円(8・2%増)。とりわけ一般会計は新型コロナウイルス感染症の影響による市税の減収を受け、追加の赤字地方債を活用するなどして財源不足をカバーした。
提供:建通新聞社