徳島県内の2級河川水系で気候変動による水災害リスクの増大に備えるため、河川・下水道管理者をはじめさまざまな関係者が協働して流域治水に取り組む協議会が発足した。1月22日に県の東部と南部それぞれで初会合が開かれ、今後の検討事項などを話し合った。今後、両協議会では河川での対策や流域の対策、ソフト対策を盛り込んだ各流域治水プロジェクトを9月末までに策定・公表する。
徳島県庁で開かれた県東部流域治水協議会の初会合には、県をはじめ、徳島市、鳴門市、小松島市、勝浦町、上勝町、森林整備センター徳島水源林整備事務所の構成機関代表者の他、オブザーバーとして四国森林管理局徳島森林管理署長が出席=写真。設立趣旨と規約を決定した後、実施事項と今後の進め方について協議した。
この中で▽県東部で行う流域治水の全体像の共有・検討▽河川に関する対策、流域に関する対策、避難・水防等に関する対策を含む、「県東部流域治水プロジェクト」の策定と公表▽同プロジェクトに基づく対策の実施状況のフォローアップ−を決めた。今後、幹事会等関係機関へのヒアリングや情報共有を図り、3月の第2回会合で流域治水の全体像の共有・検討を行いイメージを作る他、8〜9月ごろをめどに同プロジェクトを策定・公表する計画だ。
協議会設置は、一昨年の東日本台風をはじめとした豪雨災害を受けた全国的な取り組みの一環。吉野川と那賀川の一級河川水系では国土交通省徳島河川国道事務所と那賀川河川事務所を中心とする各流域治水協議会で昨年8月からそれぞれ流域治水プロジェクトの策定が進められている。流域治水の施策としては、堤防整備や河道掘削などハード対策の他、既存ダムの洪水調整機能の強化や水害の危険がある土地利用の規制・誘導などに取り組む。この他、住民の避難行動に役立つ監視カメラの設置などを組み合わせ、流域全体で水害を軽減する。
提供:建通新聞社