香川県内でのPPP/PFI案件の増加を目的とし、百十四銀行を代表に県と高松市、日本政策投資銀行で構成する「かがわPPP/PFI地域プラットフォーム」が発足し、1月21日に県庁内で初会合を開いた。高松市が検討する構想段階の案件(都市公園へのPark―PFI)に民間事業から意見を聞く「サウンディング(官民対話)」を2月に実施するとともに、2021年度に国に対して正式な地域プラットフォームとして申請し、県内の案件創出に向けた環境整備を進めていくことを確認した。
初会合では、百十四銀行の担当者が地域プラットフォーム組成や、今後の活動内容、スケジュールなどを説明。
続いて、地域プラットフォームの立ち上げや支援を担当している内閣府民間資金等活用事業推進室の阿部俊彦企画官が、地域でPPP/PFIを推進する必要性について説明。公共施設などの老朽化、厳しい財政状況、人口減少など日本の現状を踏まえ「適切な公共サービスを今後も維持するための手段の一つとしてPPP/PFIの活用が有効」と指摘した。その上で、地域の中でPPP/PFIを選択できる力を身につけることが重要だと述べ、「地域公共団体の中での体制・ルールの構築、知見・ノウハウを持つ人材の育成、官民対話を通じた案件形成」と「優先的検討規程の策定・運用定着」を求めた。
公共R不動産コーディネーターでnest取締役の飯石藍氏は「公民連携事業のはじめかた、すすめかた」と題して講演。PFIや指定管理者制度などを活用した既存施設の再整備など従来型の公共事業型(第一世代)だけでなく、余剰施設をリノベーションして活用するなど民間事業型(第二世代)が登場していると説明し、民間の発想・アイデアで新たな価値を生み出し再生した事例を紹介した。そして、PPPを推進するための4カ条として「目的の共有、時間とコスト意識、ハコと需給バランス、官民双方の考えを理解し合う努力」を示した。
事業者として地域のPFI事業に参画している酒部建設(愛知県岡崎市)の澄川弘人副社長らは、PFI事業への参画経緯を説明するとともに、地元(建設)企業が参画する意義として「地域経済の活性化や雇用など『地元貢献』、行政との意思疎通や地域特性を理解した地域に根差した事業など『地元企業としての自治体との関わり』」挙げた。
提供:建通新聞社