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鹿児島建設新聞
2021/01/29

【鹿児島】県立博物館考古資料館の保存活用/22年度以降に設計

 県立博物館考古資料館の第1回保存活用計画策定委員会が28日、鹿児島市の県立博物館で行われた。委員らによる現地確認も行われ、石造り建造物として尚古集成館(重要文化財)に続いて、2件目の国登録有形文化財という歴史的背景から計画を策定することを確認。今回も含め2021年度までに5回開催して、耐震性確保等の内容を固める。22年度以降に修理の基本設計等を見込む。
 委員は県文化財保護審議会から原口泉氏と揚村固氏、鹿児島大学大学院理工学研究科の木方十根教授、県立博物館の鈴木敏之館長の4人で構成。委員長は原口氏を選任し修復技術システム(福岡市)がサポートする。 
 建物の構造は石造(溶結凝灰岩)2階建てで、延べ面積は674・97u。明治16(1883)年に県の興業館として建設された。一時期、鹿児島市役所の仮事務所としても利用され、大正3年の桜島大噴火に伴う地震での被害や昭和20年には戦災のため石造部分を残し消失したこともある。 
 現地視察も行われ、窓枠石材の剥落、壁面侵食、雨漏り、床仕上げ材の膨れ・剥がれ、石材のひび割れ、白蟻の被害、防水モルタルの亀裂等を確認した。 
 委員からは、「石造り建造物として、記念物として保存するか活用の選択で修復内容が変わる」「戦後、応急的な修理で利用された形跡があり、部分的でも天井や床を剥いで、部材を確認したい」「耐震性の確保には技術的なデザインが求められる」−などの意見が出た。
 今後のスケジュールは、20年度内に2回目を開催して、現状の問題点の把握を行い、21年度に入り、防災・防犯計画の検討や保存活用に向けたスケジュールなどを決めて、年度末の決定を目指す。

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