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建通新聞社(中部)
2021/01/28

【三重】三重県 木曽岬干拓を建設発生土ストックヤードのみとして活用

 三重県は、木曽岬町などで三重県と愛知県にまたがる「木曽岬干拓地」(約420f)について、伊勢湾岸自動車道南側の土地利用計画で位置付けた「運動広場」「農業体験広場」としての活用方針を建設発生土ストックヤード(以下、ストックヤード)の利用に変更することを明らかにした。併せて、同区画を含めた未利用地の都市的土地利用を図ることを前提に、国土交通省が主催し、全国の地方公共団体等が計画する民間活用事業を集約して行うサウンディング(官民対話)事業に参画し、1月29日に開催予定の中部ブロック会場で同事業の概要を紹介(WEB方式を予定)し、民間事業者の提案を募る。
 同方針については、2020年12月に行われた第7回木曽岬干拓地土地利用検討協議会で、県側が関係市町に対し土地利用計画の見直し案や、そのためのスケジュールについて二つのケースを検証した結果などを説明した。その中で、21年度から環境影響評価方法書の作成に着手する案などを示した。
 木曽岬干拓地については、01年に国から三重県(約320f)と愛知県(約100f)が買い受けた時点での売買契約で、都市的土地利用を図るための条件として、土地利用計画に基づき公共利用を5年間行うことが必須となっており、条件に沿わない利用を行った場合は約35億円の違約金が発生する制約となっていた。
 県は、伊勢湾岸自動車道北側について、ストックヤードなどで公共利用を経て、現在、工業用地(第1〜4期・計44f)として第1、2期の分譲を行っている。一方、伊勢湾岸自動車道南側の未利用地については、環境影響評価手続きに約5年、運動広場(66f)、農業体験広場(50f)の整備に約15年、その後に同地区を5年にわたり公共利用することで、都市的土地利用の開始までに計約25年がかかるものとしていた。しかし、対象地区で営巣する希少種猛禽類「チュウヒ」への影響を配慮し、計画自体が進んでいなかった。なお、チュウヒの保護については、保全区(約60f)を干拓地南端に設け、改変不可地区とした。
 そこで、運動広場の利用計画を見直し、21年度から5年間で環境影響評価手続きを行い、26年度からストックヤードとして利用し、31年から新たな土地利用を行うことを新たな計画の柱として、土地利用の調査検討業務の開始時期で二つのケースを提案した。〈ケース1〉では、調査開始時期をストックヤードの利用期間中の中間ごろ(28年度ごろを想定)とし、30年度までに土地利用計画を決定するもの。〈ケース2〉では、調査開始時期を20年度から国の施策を活用してサウンディングを行い事業の可能性を検討し、26年度早期に計画策定まで行い、ストックヤードの利用期間中に民間事業者まで決定するものとした。ケース2では、早期にサウンディングを行うことで幅広い開発を検討でき、その後の事業化検討を公共利用と並行して進めることなどのメリット性を上げ、ケース2を採用することで了承を得た。
 事業提案に当たっては、34年に事業終了するメガソーラー事業(新エネルギーランド)の64fや、湾岸道路北側の工業用地以外の緑地なども含めた全体の土地利用案も求めていく考えだ。

提供:建通新聞社