交野市は、新庁舎整備に向けて策定を進めていた基本計画の策定を中断し、再考することを明らかにした。2020年3月に策定した基本構想を基に、地域計画建築研究所(大阪市中央区)と基本計画の策定を進めていた中で、基本構想で設定した複合施設面積1万3000平方bで建設費を算出すると、想定していた総事業費を上回ることに加え、造成費などの費用もかかる他、コロナ禍における財政の見直しにより当初スケジュール内で取り組むのは困難であることから再考を決めた。
今後について、市では基本構想の基本理念・基本方針などを最大限生かすことを念頭に置き、財政の見通しなどを検討し、方針を固めるとしている。
基本構想では、建設地をいきいきランド交野の敷地(向井田2ノ5ノ1)とし、行政機能と文化施設機能を合わせた約1万3000平方bの施設を想定。分散化している別館、第2別館、星田出張所、青年の家など庁舎機能を集約・複合化することで、防災センター機能の強化やワンストップサービスの実現など利便性の向上と業務の効率化を図るとしていた。
既存施設の規模は、本庁舎が鉄筋コンクリート造3階建て延べ4787平方b、別館が鉄筋コンクリート造3階建て延べ1852平方b、第2別館が鉄骨造平屋198平方b。第2別館を除く建物と設備が未耐震となっており、耐震性の課題が懸念されている他、老朽化も著しく、星田出張所と青年の家についてはバリアフリー化が未対応となっている現状から早急な整備が求められている。
提供:建通新聞社