勝浦市観光商工課は21日、「(仮称)かつうら海中公園滞在型観光施設工事基本設計業務委託」に係る公募型プロポーザルの選定結果を公表した。4者が企画提案書を提出し、最優秀提案者に石井建築事務所(静岡県熱海市田原本町9―1)を選定した。業務の履行期間は3月10日まで。委託費は500万円(消費税込み)。勝浦海中公園内にある無料休憩所建物を滞在型観光施設としてリニューアルするための基本設計を委託する。
同事業では、既存施設を解体し、新たに滞在型観光施設を整備する。3月補正予算で実施設計費と工事費を措置。2021年度に工事を実施し、22年3月下旬の完成を目指す。
整備予定地は吉尾234番ほか地先。敷地面積は約1200u。用途地域は無指定(建ぺい率70%、容積率200%)。整備する建物は店舗および温浴施設。規模は延べ約500uを想定。また、解体する無料休憩所はS造平屋建て延べ259・48u(建築面積330・73u)。
事業費は実施設計費、工事監理費、解体工事費、滞在型観光施設建設工事費、外構工事費等(備品除く)で総額約4億円(消費税込み)を見込む。
基本設計完了後、3月中旬に実施設計のプロポーザルを実施し、5月下旬までに実施設計を完了させる。さらに同月下旬に工事の一般競争入札を公告し、6月上旬に契約する。
基本設計の業務内容は一般業務と追加業務。追加業務では、設計案確定のための検討資料および関係者等説明資料の作成、透視図作成、工事工程計画作成、現況調査、レイアウトプラン策定、什器整備計画の策定、サイン計画などを実施。また、地質調査と用地測量も行う。
基本設計業務のプロポーザルでは、テーマを▽景観を生かした集客としてのデザイン▽ライフサイクルコストを考慮した施設運営▽過去に設計した温浴施設等の経験から学んだこと――の3項目としていた。
同市の観光は夏季の海水浴場が中心で、季節観光や体験型観光などのコンテンツに乏しく、観光目的地として選択されにくい点が課題となっており、通年での滞在型観光施設の整備が必要となっている。また、通年型観光施設の勝浦海中公園も入込客数が減少している。このため、同施設を新たに整備することで、観光目的地として選択される環境を整え、地域の活性化を図ることとした。