相模原市は、財政健全化に向けた行財政構造改革プラン案を策定した。長期財政収支(2020年10月末時点)では、21年度から27年度までの歳出超過の累計額が約816億円に達する見込み。収支均衡型の財政運営を目指し、中長期的な財政状況を考慮して事業の選択と集中などを行う。
計画期間は21年度から27年度とし、第1期(21〜23年度)は、実現可能性や中長期的な財政状況を考慮し、新たなまちづくり事業などの選択と集中(見直し)、先行可能な改革などを実施。第2期(24〜27年度)に持続可能な行財政構造の構築に向けた抜本的な改革を実施する。
具体的な改革として、新たなまちづくり事業の選択と集中や既存の公共施設等の見直し(効果額60億円)、事務事業の選択と集中(効果額47・7億円)などを行う。
新たなまちづくり事業では、13事業について計画期間中に「事業を推進」「検討・調査は実施」「検討・調査は実施しない」の3段階に分類。橋本駅周辺と相模原駅周辺の整備推進、相模原インターチェンジ周辺新拠点まちづくり、次期一般廃棄物最終処分場整備の4事業は事業を推進する。
美術館(相模原)、淵野辺公園拡張区域(Yゾーン)整備(総合体育施設整備事業を含む)、幹線快速バスシステム導入推進の3事業は検討・調査を実施せず、凍結する。幹線快速バスシステム導入については、「新しい交通システム導入基本計画」の廃止を検討する。
事業を推進、検討・調査するまちづくり事業は次の通り。
▽(仮称)新斎場整備事業―最終候補地「青山」において、検討・調査を実施
▽相模原インターチェンジ周辺新拠点まちづくり事業―農業生産基盤の整備を実施するため、土地改良事業の基本構想を策定し、地権者との合意形成を図る
▽次期一般廃棄物最終処分場整備事業―事業を推進。37年度からの埋め立て開始に向け、事業を推進
▽橋本駅周辺整備推進事業―27年のリニア中央新幹線の開業を見据え、必要となる都市基盤整備を推進
▽相模原駅周辺整備推進事業―土地利用方針・土地利用計画を策定し、都市基盤整備を推進
▽小田急多摩線延伸促進事業―橋本駅周辺、相模総合補給廠一部返還地のまちづくりの進捗を踏まえ、関係地方公共団体との合意形成に向けて取り組む
▽麻溝台・新磯野地区整備推進事業(第一整備地区)―21年度末までに事業計画の変更案を作成し、事業の方向性を判断
▽麻溝台・新磯野地区整備推進事業(後続地区)―第一整備地区の進捗状況、社会経済情勢を見据え、地権者など民間活力を主体とした事業手法について検討
▽当麻地区整備促進事業(後続地区)―実現可能性を検証
▽鵜野森地区整備促進事業―幹線道路など都市基盤整備と整合を図りながら、事業化に向けて検討
提供:建通新聞社